地球環境

南アフリカ主催 気候変動に関する非公式閣僚級会合
(結果概要)

平成23年9月9日

1.会合の概要

(1)日程・場所

9月8~9日 於:南アフリカ・プレトリア
(閣僚級会合に先立ち,交渉官級会合を9月6~7日に開催)

(2)主催 南アフリカ政府(議長:ヌコアナ=マシャバネ 南ア国際関係・協力大臣)

参加国:南ア及び約40カ国・機関,気候変動枠組条約事務局
日本からは横光環境副大臣,平松外務省地球規模課題審議官,関経済産業省大臣官房審議官,梶原環境省大臣官房審議官他が出席。

2.議論の概要

(1)主な議論

 資金,技術,適応,緩和の各分野に関するダーバンCOP17において目指すべき成果について議論が行われ,ダーバンではこれら全ての分野で包括的,野心的でバランスのとれた成果を目指すことが重要との認識が共有された。

 特にアフリカで開催される今COPでは資金,適応や技術の分野での前進が重要であり,このため緑の気候基金やカンクン適応枠組みといった組織的事項などカンクン合意の内容を着実に実行に移していくことが重要,緩和については先進国が率先して取り組むことはもちろん途上国の行動も重要等の意見があった。

 京都議定書の将来や今後の法的枠組みについては,依然として各国の主張の隔たりは大きいもののダーバンに向けて引き続き政治レベルでの議論が必要であること,一方でダーバンでは全てを解決することはできず,現実的な議論を進めていくことも重要との認識が示された。

(2)ズマ南ア大統領のスピーチ

 第2日(9月9日)の開会に先立ちズマ南ア大統領が以下の内容のスピーチを行った。

  • 地球温暖化の影響は,世界各地で頻発する異常気象などの事象とそれに伴う経済的悪影響,環境難民の増大により既に明白。その解決には全世界を挙げての対応が不可欠であり,ダーバンは気候変動問題に対する世界の今後の対応を形づくる機会。
  • ダーバンでは,共通だが差異ある責任,衡平性といった原則に基づき,各国の削減目標の野心のレベルを向上させるべく建設的な検討を願う。
  • 特に,アフリカ諸国など脆弱国における適応,資金・技術・能力向上に関して具体的な成果を挙げなければならない。
  • 京都議定書の今後に関する決定は,将来の枠組みのあり方に関する幅広い検討の一部。この問題をダーバンで解決するには様々な主張と関心がバランスされなければならない。

(3)我が国の対応

 横光環境副大臣より,日本としては震災後も気候変動問題に引き続き真剣に取り組んでいくこと,全ての主要国の参加する公平かつ実効性のある国際枠組みを早期に構築することが地球規模の削減のために必要不可欠であり,この観点から京都議定書の第二約束期間には賛同できないこと,一方でそうした枠組みにダーバンで合意することは極めて難しいという状況の中,2013年以降の取組を着実に前進させるべく現実的な議論が必要であること,ダーバンでの具体的な成果としてはカンクン合意を踏まえた緩和や各種支援の実施が必要であり,我が国は途上国支援に積極的に取り組んでいることを発言した。

 また,会合の合間に様々な閣僚等と,二国間会合(南アフリカ,米国,インド),アンブレラグループ会合(オーストラリア,米国,ノルウェー,ニュージーランド,ロシア)や意見交換を行った。

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