平成18年1月12日
日本政府代表団
(1) クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップの第一回閣僚会合は、1月11日及び12日、豪州のシドニーにおいて開催された。参加国は、我が国をはじめ、豪州、中国、インド、韓国、米国の6ヵ国。我が国からは、小池百合子環境大臣、西野あきら経済産業副大臣他が出席した。
(2) 今次閣僚会合では、外務、エネルギー及び環境を担当する閣僚に加え、6ヵ国の幅広い産業分野のCEOクラスも参加して、増大するエネルギー需要、エネルギー安全保障、気候変動問題などに対応するための地域協力について幅広い議論が行われ、本パートナーシップが正式に立ち上げられた。
(3) 閣僚とCEOとの対話では、セクター別(産業分野別)アプローチの重要性、実際の成果につながる具体的取組などについて、建設的な意見交換が行われた。閣僚間の円卓会合では、CEOとの対話の結果を踏まえ、本パートナーシップの推進に向けた政治的意志が確認されるとともに、8つの協力分野とそれぞれの協力の道筋を明らかにした行動計画などの文書が合意された。今後は、協力対象分野として合意された8つの産業分野のタスクフォースが立ち上げられ、具体的な協力が始められる。
(4) これらの8分野は、6ヶ国のエネルギー消費、二酸化炭素排出量(それぞれ世界の約半分)の約6割を占めており、本パートナーシップの協力のポテンシャルは極めて大きい。なお、本パートナーシップは、気候変動枠組条約と整合的であり、また、京都議定書を代替するのではなく、補完するものとして位置づけられている。
(5) 我が国は、8つの分野のうち鉄鋼とセメントの協力をリードするとともに、各分野の協力内容としてエネルギー効率のベンチマーク(ベストプラクティスの比較と分析)を行うことを提案し、かかる提案は、作業計画に明記されるなど、議論に多大な貢献を果たした。
(1) 日時:1月11日(火曜日)~12日(水曜日)
(2) 場所:豪州シドニー・フォーシーズンズホテル及びガバメントハウス
(3) 参加者:我が国をはじめ、豪、中、印、韓、米の6ヵ国から、外務、エネルギー及び環境の担当閣僚が参加した。我が国からは、小池百合子環境大臣、西野あきら経済産業副大臣他が出席した。さらに、民間より、参加6ヵ国の幅広い産業分野のCEOクラスが参加した(別紙1)(PDF)。
(4) 会議の目的
昨年7月に立ち上げに合意した本パートナーシップについて、エネルギー、環境技術の地域協力の推進に政治的モメンタムを与えるとともに、官民の対話を通じて具体的な協力分野、取組内容、作業日程などに関し合意を得る。
(1) ビジネス対話では、本パートナーシップの下で行う技術協力について、閣僚及びビジネス代表がそれぞれの見解を表明するとともに、エネルギー・環境技術の開発・普及・移転を促進するための官民の貢献について意見交換が行われた。
(2) 西野あきら経済産業副大臣は、本パートナーシップに関する日本の見解として、セクター別(産業分野別)アプローチの重要性、参加6ヵ国が持つ省エネや二酸化炭素排出削減のポテンシャルなどに言及した。さらに、協力対象分野のうち、我が国が鉄鋼とセメントの協力をリードするとともに、各分野の協力内容としてエネルギー効率のベンチマークを行うことを提案し、かかる提案は、作業計画に明記された。
(3) 小池環境大臣は、最後に総括的な発言を行い、参加閣僚及びビジネス代表からの様々な見解を踏まえ、本パートナーシップを通じ、情報や経験の更なる「共有」を図っていくことが重要であり、結果として互いの利益や地球環境保全の目的の共有につなげていくことの必要性を指摘した。
(4) 各国の閣僚からは、本パートナーシップへの強い期待、民間参加の必要性、政治的な議論から実際の行動、協力に移行し、具体的な排出削減を図る必要性などが表明されるとともに、CEOからも多数の発言があり、本パートナーシップへ積極的に貢献しようという前向きな姿勢が示された。
(1) 閣僚間の円卓会合では、6ヶ国のパートナーが協力して、増大するエネルギー需要、エネルギー安全保障、気候変動問題などに関連した課題に対し、技術の開発、普及、移転を通じて対処することの重要性について、共通の認識がさらに深まった。
(2) 我が国からは、小池環境大臣より、地球温暖化対策に対する我が国の積極的取組を紹介するとともに、本パートナーシップへの期待として、エネルギーと気候変動問題の一体的対応、官民協力の意義、大気汚染や廃棄物対策を含む持続可能な開発への考慮について言及し、本パートナーシップを京都議定書を補完する取組として、発展させていくことの必要性を強調した。
(3) 西野経済産業副大臣は、本パートナーシップが、「行動」を中心とする真の官民パートナーシップとなることへの期待を表明するとともに、我が国は技術革新を通してエネルギー・環境の課題に対応していること、日本が有する世界最高水準のエネルギー・環境関連技術で積極的に貢献していく考えであることを述べた。
(4) これまでの議論の成果として、閣僚円卓会合においては、今次会合のコミュニケ(別紙2)、本パートナーシップの枠組みを規定する憲章(別紙3)(PDF)、8つのタスクフォース(1)よりクリーンな化石エネルギー、2)再生可能エネルギーと分散型電源、3)発電及び送電、4)鉄鋼、5)アルミニウム、6)セメント、7)石炭鉱業、8)建物及び電気機器)の協力内容を記述した作業計画(別紙4)(PDF)
が合意された。
(1) 今次会合では、人口、GDP、エネルギー消費、二酸化炭素排出量などで見て世界の約半分を占める主要6ヵ国のエネルギー、環境担当閣僚と、幅広い産業分野のCEOクラスの代表が一堂に会し、増大するエネルギー需要への対応、気候変動問題など、アジア太平洋地域が直面する課題の解決に向けて対話を行った。ここでの検討は、地域共通の課題に官民が協力して取り組むという歴史的に見ても新しい試みの第一歩として位置づけられる。
(2) ビジネス対話では、エネルギー、環境関連の課題において技術の果たす役割が重要であるとの共通の認識の下、セクター別アプローチの重要性、実際の成果につながる具体的取組、ベンチマークの重要性、民間参加の意義と官民の役割分担、などについて、建設的な意見交換が行われた。
(3) 閣僚円卓会合では、ビジネス対話での議論を踏まえて、本パートナーシップの目的を実現する政治的意志が確認され、本パートナーシップが正式に立ち上げられるとともに、今後の協力を具体化した作業計画の合意という成果に結実した。
(4) 作業計画は、8つの協力分野を特定するとともに、それぞれの分野でタスクフォースを立ち上げ、何を目標にして協力を進めていくか道筋を明らかにした。我が国は、鉄鋼とセメントのタスクフォースにおける協力をリードする意志を表明し、本パートナーシップの目的達成に向けた努力に貢献した。
(5) 今後は、それぞれのタスクフォースにおいて、官民の具体的協力が進められる。これらの8分野は、6ヶ国のエネルギー消費、二酸化炭素排出量の約6割を占めており、本パートナーシップの協力のポテンシャルは極めて大きい。我が国としては、本パートナーシップが京都議定書を補完する取組として、実効ある成果を上げていくよう、産業界とも密接に連携しつつ、最大限貢献していく。
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