地球環境
UNEP国際環境技術センター
(UNEP / International Environmental Technology Centre)
令和3年8月30日
1 設立経緯
- (1)1990年のヒューストン・サミットにおいて海部総理(当時)より本件センターの我が国誘致を表明。1991年5月の第16回国連環境計画(UNEP)管理理事会において設立決定を採択。
- (2)1992年10月30日、大阪において行政取極が締結され、本件センターがUNEPの機関として設立された。開発途上国及び経済体制が移行過程にある国に対して、主に廃棄物管理分野(海洋プラスチックごみ問題を含む)の環境上適正な技術(EST: Environmentally Sound Technologies)の移転を促進することを目的とする。我が国の国際機関を通じた環境分野での国際貢献の一環。
2 所在地
大阪府大阪市
3 活動内容
ホスト国である我が国と連携しつつ、開発途上国等に対し、研修及びコンサルティング業務の提供、調査、関連情報の蓄積及び普及等を実施。現在、主に廃棄物管理を対象に活動している。
- (1) 2019年に「小島嶼開発途上国(SIDS)廃棄物管理概況」を発表した後、この廃棄物管理概況は、現在少なくとも9か国において各国の廃棄物管理基準として活用されている。また多数の企業及び団体において廃棄物管理におけるリスク評価・管理手法に利用されている。
- (2) 2019年には、22か国における国・都市・地域レベルの廃棄物管理戦略の策定支援を実施し、各国・都市における廃棄物管理改善に大きく貢献。これまでにIETCが環境上適正な技術の移転に係る支援活動を実施した国の数は149か国に上る。
- (3) 新型コロナウイルス感染症への対応として、IETC及びIETCの活動を支援するために設立されたIGES-UNEP環境技術連携センター(CCET)と共同で、「コロナ禍における廃棄物管理の現状と今後の展望に関する報告書(2020年8月)」を作成した。
- (4) 日本国内においては、地球環境問題、特に資源循環の視点からサステナビリティを促進し、普段の暮らしの中で持続可能な活動を実施する事を目的とした、国連・政府・企業・市民・その他機関の横断的なプラットフォーム(UNEPサステナビリティアクション)を2020年6月より開始。ファーストリテイリングやセブン&アイホールディングス、楽天等のグローバル企業との連携を行っている。
4 予算(運営経費)
運営経費は我が国からの拠出とUNEP本部から割り当てられるUNEP環境基金により賄われている。我が国の運営経費拠出額(過去10年)は以下の通り。
年度 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(単位:万ドル) | 168 | 168 | 159 | 137 | 130 | 127 | 105 | 104 | 99 | 77 |
(2004年から外務省と環境省とで折半)
5 首席統括官
モニカ・ゲイル・マグデベット
6 その他
大阪による支援として財団法人地球環境センター(GEC)(大阪市)が事務所施設の提供及び維持管理を行っている。