平成20年5月
我が国は、2010年NPT運用検討会議第2回準備委員会(4月28日~5月9日、於:ジュネーブ)の機会を捉え、UNIDIR(国連軍縮研究所)と共催で、被爆体験を如何に語り継いでいくかを主たるテーマに軍縮・不拡散教育に関するセミナーを開催したところ概要は以下のとおり。
1. 4月30日、国連欧州本部において、被爆体験の継承と実践に活かすための効果的な教育をテーマに被爆者、NGO、教育関係者等がパネリストとして発言し、NGO、各国関係者等約50名が参加した。議長はウィリアム・ポッター・ジェームズ・マーティン不拡散研究センター所長が務め、冒頭日本政府を代表し、樽井軍縮会議日本政府代表部大使が開会の挨拶を行った。
2. 日本の被爆者団体を代表して、田中煕巳(たなか・てるみ)被団協事務局長が、被爆者が高齢化している中、原爆がもたらした甚大な被害と原爆が発する放射線の人体に対する影響等の体験を後世に継承するため、一層の努力が必要である旨発言したほか、他の参加者からも軍縮・不拡散教育への国連ウェブサイト(UN CyberSchoolbus:http://www.cyberschoolbus.un.org/dnp/)の活用、被爆地の遺物を活用した若年層に対する教育等具体的な提案がなされた。
3. 出席者
(1)ウィリアム・ポッター・ジェームズ・マーティン不拡散研究センター所長
(2)樽井澄夫(たるい・すみお)軍縮会議日本政府代表部大使
(3)田中煕巳(たなか・てるみ)被団協(日本原水爆被害者団体協議会)事務局長
(4)キャサリン・サリバン・国連軍縮部教育顧問
(5)笹森恵子(ささもり・しげこ)米国在住被爆者
(6)ネリー・ポルサバ・ロシア人高校教師
(7)エレナ・ハッシュベック・モントレー研究所研究員
4. また、会場では、教育の一環として英語版の漫画「夕凪の街桜の国」や「日本の軍縮・不拡散外交(第三版)」、「軍縮・不拡散~日本の取り組み~」(パンフレット)等を配布した。
5. なお同セミナーについては、ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(http://cns.miis.edu/)及びUNIDIR (http://www.unidir.ch/bdd/fiche-activite.php?ref_activite=373
)のホームページでも紹介されている。