軍縮・不拡散

第6回包括的核実験禁止条約(CTBT)発効促進会議
(概要と評価)

平成21年9月28日

 9月24日から25日にかけて、ニューヨークの国連本部において第6回CTBT発効促進会議(参考1)が開催されたところ、概要及び評価は以下のとおり。

1.概要

(1)今次会議には、102か国の批准国及び署名国に加え、2か国の未署名・未批准国が参加。クシュネール・仏外相及びフィフリ・モロッコ外相が共同で議長を務め、我が国からは岡田外務大臣が政府代表として参加、本会議に10年ぶりに復帰した米国からはクリントン国務長官が参加した。

(2)クリントン国務長官は、米国としてCTBTを重視していること、分担金を支払い(ブッシュ政権時代の8年間は分担金の一部のみ支払っていた)、検証制度の拡充強化に向けて協力する意向等を表明した。

(3)多くの政府代表が北朝鮮の核実験に言及し、非難声明が相次いだ。

(4)CTBTO(包括的核実験禁止条約機関)から津波警報機関への情報提供を評価する意見が相次いだ。

(5)24日の会議冒頭、会議参加国の総意として、未署名国・未批准国に対する早期署名・批准の呼びかけや核実験モラトリアム維持の重要性等を盛り込んだ最終宣言が採択された。

2.岡田大臣による政府代表演説のポイント

3.評価

(1)米国は、オバマ政権になって初の発効促進会議にハイレベルの代表団を派遣、CTBT批准に向け本格的に取り組んでいく姿勢を示した。参加者からは、米国の参加を得たけでも今次会議は成功だったとの意見も聞かれた。

(2)米国の批准は、他の発効要件国に対して非常に有効な説得材料になるというのが多くの参加者に共有された見方。特にインドネシアが政府代表演説の中で批准プロセスが進んでいることを明言したほか、中国が続くのではないかといった声も聞かれた(ただし、中国の政府代表からはCTBTに対する一般的支持は表明されたものの、批准に関する具体的言及はなかった)。

(3)我が国は、岡田外務大臣の代表演説を通じて、早期発効に向けた具体的貢献策(発効促進イニシアティブ)を示し、核軍縮・不拡散に向けて国際社会を主導するとの考えを示すことができた。

(参考1)発効促進会議

 CTBTは、署名開放後3年を経過しても発効しない場合、批准国の過半数の要請によって、発効促進のための会議を開催することを定めている(第14条2)。この規定により、1999年から隔年で2007年まで発効促進会議が5回開催されており、今回は6回目。

(参考2)CTBTの現状

 CTBTは1996年9月に署名されるも、発効には発効要件国44か国すべての批准が必要とされ、現在まで未発効。発効要件国のうち、米国、中国、インドネシア、エジプト、イスラエル、イランは署名済・未批准。インド、パキスタン、北朝鮮は未署名・未批准。

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