平成19年11月
(1)11月14日~17日、マリの首都バマコにおいて、マリ政府主催の「第4回民主主義共同体閣僚級会合」(今次テーマ:「民主主義と開発」)が開催された。同会合の準備段階では、マリ、米国、ポーランド、韓国、インド、チェコ、チリ、メキシコ、南ア、ポルトガル等の召集国グループの協議(ワシントン・ベース)を通じて調整が行われた。
(2)本閣僚級会合には、約60カ国の政府及び国連のほか、世銀やUNDP等の国際機関及び数十の市民社会代表が参加した(参加数は暫定情報)。我が国よりは、河野外務大臣(当時)の特使として第1回会合に出席した有馬龍夫政府代表が出席したほか、ネグロポンテ米国務副長官、ジョスパン元仏首相(NGOのクラブ・マドリード代表)に加え、ポルトガル(外務副大臣)など、多数の国より閣僚級を含むハイレベルの参加があった。
(1)開会式では、マリ政府(トゥーレ大統領、ウアンヌ外相)より、急速なグローバル化が惹起する貧困やテロ等の諸問題が現代民主主義の最大の脅威となっており、右克服には民主化と開発を車の両輪とした取組が重要である旨強調した。また、ネグロポンテ米国務副長官は、民主主義を支える個人と市民社会の能力強化と貧困削減、代表制の確保とメディアの重要性のほか、主権者たる国民が民主主義の意味を理解することの重要性等に言及した。
(2)分科会形式のテーマ別パネル及び地域別パネル(下記(参考)参照)が行われ、各テーマ及び各地域が抱える民主主義を巡る諸問題について意見が交わされた。我が国は、「民主的統治のための制度的・政治的環境」(テーマ別パネルI)に参加した。有馬政府代表は、アジア・オセアニア・グループ(地域別パネルIII)において議長を務め、セッション冒頭にステートメント(英文)を行ったほか、マリ政府の要請に応え、閉会式において同国政府に対する謝辞と本閣僚級会合の成果について簡単な所感を述べた。召集国グループを除き、全体会合でスピーチを行った参加国は我が国だけであった。
(3)閉会にあたり、「バマコ・コンセンサス」(政治宣言)が採択され、民主主義や基本的人権の普遍性を改めて確認した上で、民主主義と開発は相互に補強し合う関係にあること、貧困問題や個人・市民社会のエンパワーメントを含む社会・経済の効果的発展が民主化の重要な鍵であること、各国政府、市民社会、国連、国際機関、地域的機関の連携の必要性が強調された。また、「バマコ・コンセンサス」の理念を具体化するための1つの手段として、「民主主義共同体」の機能強化を図るべく、第1回会合開催地であるワルシャワに常設事務局を設置することが合意(政治宣言の付属文書)され、最後に、次回第5回会合を2009年にリスボンで開催することが発表された。
(参考)