5月18日~20日、中国(北京)において標記会合が開催された(主たる参加者は以下の通り)。本政府間協議及び政府間メカニズムは、「日中韓投資取決めのあり得べき形態に関する非公式な共同研究」(注)の報告を受けて、昨年11月の日中韓首脳会議において、「三国は、出来るだけ速やかに共同研究で合意に達した措置を実施し、これらの実施状況をフォローアップし、またビジネス分野からのインプットを得つつビジネス環境改善に向けて追加的な措置を取るための三国間の政府間のメカニズムを創設する」こと、「三国は、投資に関する法的枠組みを時宜を得た形で探求するための協議を実施する」ことで一致したことを踏まえ、今回第1回会合が開催されたものであり、計3回の会合での協議結果については、本年秋に首脳への報告がなされる予定である。なお、第2回会合は8月にソウルで、第3回会合は9月頃に東京で開催予定。
(注)2003年10月の日中韓首脳会議により開催されることになったもので、2004年に計4回開催。
◇外務省
佐藤 悟 経済局参事官
竹若 敬三 経済局経済安全保障課長
小坂 節雄 経済局政策課企画官
◇経産省
桑原 哲 通商政策局審議官
寺澤 達也 通商政策局北東アジア課長
ソン・ペン 商務部外国投資管理司副司長
ワン・イフェイ 商務部外国投資管理司事務官
チョン・ビーホ 外交通商部多者通商局審議官
チェン・スンファン 外交通商部多者通商局東北アジア通商課首席
我が方より、日中間には投資保護協定があるが、最近の流れとして、投資の自由化に力点を置いた投資ルールが必要であるとして、日韓投資協定、日越投資協定等の内容を説明。これに対して、中国は途上国であり、投資の自由化には困難があるとしつつも、中国に外国投資が入りやすい状況を作りたいという点は認識しており、協議の中で、先進的な投資協定の様々な要素について話を聞き、中国として出来るものであれば受け入れも検討するという立場を示した。
透明性、知的財産権保護、紛争処理、中央と地方の一貫性のとれた行政運営、投資促進等、昨年の共同研究でコンセンサスに達した措置に関し、我が国の取組状況の紹介を中心に議論が進められた。今後、各国の取組状況を細かくリストアップし取り纏めて「行動計画」(アクションプラン)という形で公表する予定である。
今回の協議の機会に、OECD事務局のシニア・エコノミストであるケン・デイビス氏を招聘して、投資ルールの要素の意義について講演を行った。
(1)日中韓三国間協力の中で、わが国が重視している投資について、非常に真摯に意見交換することが出来た。
(2)ビジネス環境改善については、「行動戦略」を作成するという作業を行うことで一致したことは有意義であり、今後これを公表することにより企業関係者にとっても分かり易い効果があると考えられる。