経済

G20開発に関する閣僚会合(概要)

平成23年9月23日

 9月23日,米ワシントンにおいてG20開発に関する閣僚会合が開催され,我が国より安住財務大臣及び山根外務副大臣が出席したところ,概要以下のとおり。

1.日程,参加国

(1)日程,場所
 9月23日(金曜日)17時00分~20時00分(於:米ワシントン)
(2)参加国・国際機関等
 G20(日本,米国,英国,ドイツ,フランス,イタリア,カナダ,ロシア,EU,メキシコ,中国,インド,ブラジル,南アフリカ,韓国,オーストラリア,インドネシア,サウジアラビア,トルコ,アルゼンチン),スペイン,エチオピア(アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)運営委員会議長国),赤道ギニア(アフリカ連合(AU)議長国),アラブ首長国連邦(湾岸協力理事会(GCC)議長国),シンガポール,関係国際機関(世界銀行,国際通貨基金(IMF),アジア開発銀行,アフリカ開発銀行,国連開発計画(UNDP),経済協力開発機構(OECD)等),ゲイツ財団

2.会合の意義

 途上国の貧困削減にとって経済成長と雇用創出が不可欠であると同時に,世界経済・金融危機は脆弱層に多大な負担を与えたことに鑑み,国際経済協力の第1のフォーラムであるG20として開発課題に取り組むことの重要性を確認するため,初の閣僚会合が開催された。特に,途上国におけるインフラ整備と食料安全保障を中心に,昨年のソウル・サミットで合意された「開発に関する複数年行動計画」の進捗状況を確認するとともに,開発資金及び気候変動資金について議論が行われた。

3.主要な成果等

(1)G20閣僚コミュニケ(仮訳英文
 会合の結果,閣僚コミュニケに合意したところ,概要は以下のとおり。
  • 開発がG20の主要課題であることを確認し,ソウル複数年行動計画に基づくG20開発作業部会の進捗を歓迎。
  • 途上国におけるインフラ投資を増大させるため,国際開発金融機関による行動計画,インフラ投資ハイレベル・パネルの作業を歓迎。
  • 食料安全保障の改善に向け,農業研究における連携強化,責任ある農業投資の拡大,価格変動へのリスク対策,栄養と人道的な食料供給へのアクセス等に取り組むことを確認。
  • 社会保護政策の強化,国際送金のコストの削減,民間投資促進,雇用創出,人材開発,国内資金動員及び貿易環境の改善に向けた提案を歓迎。
  • ゲイツ財団による報告書の発表を踏まえ,開発資金における多様な関係者の参加と多様な資金の動員の重要性を認識。世界銀行・IMFによる気候変動資金の報告書に期待。
  • アジア開発基金及び国際農業開発基金の増資の成功を期待。
  • 多様な経験と知識の共有を通じた,新しい協力のあり方を重視し,カンヌ・サミットに向けてG20開発アジェンダにおける協力を強化。
(2)山根外務副大臣の発言
 山根外務副大臣から食料安全保障について発言を行ったところ,概要は以下のとおり。
  • 過去60年で最悪の干ばつに苦しむ「アフリカの角」諸国の状況に心を痛めている。食料安全保障は喫緊の課題であると同時に人口増加,生産環境の劣化も関係する中長期的な課題。バリューチェーンを包括的に視野に入れた食料安全保障の強化に取り組むべき。
  • 特に,我が国はCARD(アフリカ稲作振興のための共同体)の下でアフリカにおけるコメの生産を2008年からの10年間で倍増する目標を設定して協力。
  • 民間投資を持続的で安定的な農業生産に結びつけるための「責任ある農業投資原則」が支持されたことを評価し,世界銀行のパイロットプロジェクトを通じて同原則を支援していく。

4.二国間会談等

 山根外務副大臣は,本会合の共同議長であるアンリ・ド・ランクール仏協力大臣,アルミダ・アリシャバナ・インドネシア国家開発企画庁長官,ジェヴデト・ユルマズ・トルコ開発大臣と協議を行い,二国間関係や開発をめぐる諸課題について意見交換を行った他,ラジブ・シャーUSAID長官等と短時間の意見交換を行った。

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