平成23年1月
川崎泰弘 村田機械株式会社 業務支援本部ロジスティクスグループ課長の講演の概要は以下の通り。
当社は機械メーカーであり、繊維機械の他に、物流システム関係の機械、工作機械、ファクシミリ等を製造・販売している。
当社が最初にEPAを利用し始めたのは、2005年(日メキシコEPA)であり、海外の商社等、取引先の要望に応じて利用をしてきた。2010年度はタイ、フィリピン、インドネシア、チリとの EPAを利用している。そのうち半分以上がタイ向けの輸出であるが、EPA利用による関税の下げ幅は1%であり、なかなかメリットとは思えないのが現実である。一方、現在EPA利用の対象としている製品の出荷順位が一位のインドネシアについては、関税の下げ幅が5%であり、EPA利用を促進しているところである。これまで当社のEPA申請は、輸入者であるお客様の要望を受けて行うものがほとんどであったが、インドネシアにおける5%の下げ幅は、ヨーロッパの競合相手との受注争いの際の切り札として営業戦略の効果が発揮できることから積極的に利用を進めている。
当社における代表的なEPA申請の流れとしては、「Certification of Originが欲しい」という取引先の要望・問い合わせを受けて、営業部からロジスティクスグループにEPA利用依頼が届き、申請を行う。ロジスティクスグループは当該商品のHSコードとEPA税率、及び当該商品が原産地規則を満たすかを確認した上で、日本商工会議所のサイトから申込みを行う。すると、数日中に特定原産地証明書を入手できる。非常に簡単で、また問い合わせにも丁寧に応じてくれる。
EPA利用促進のため、当社ではEPAに関する最新情報の入手(セミナーなどへの参加、MFN最新税率の把握)、社内への情報提供(社内イントラに掲載)、営業部への利用促進などの取り組みを行っている。