
国際エネルギー・フォーラム(IEF)第13回閣僚級会合
(概要)
平成24年3月
1. 会議概要
3月13日及び14日,クウェートにおいて国際エネルギー・フォーラム(IEF)第13回閣僚級会合が開催され,我が国からは,牧野聖修経済産業副大臣及び中野譲外務大臣政務官が代表として出席した。今次会合には,世界73か国のエネルギー産出国及び消費国から閣僚級を含む代表が出席したほか、国際エネルギー機関(IEA)、石油輸出国機構(OPEC)、ガス輸出国フォーラム(GECF)などの15の主要なエネルギー関係国際機関の事務局長等が参加した。クウェートがホスト国を務めた。
2. テーマ及び背景
- テーマ「Global Energy Security through Dialogue(対話を通じた世界規模のエネルギー安全保障)」。
- 今次会合は、世界経済の先行きに対する不透明感が依然としてぬぐえず、またイラン、スーダン、シリア等の現下の国際情勢が原油価格を押し上げる要因となっている状況の中で、1)長期的な計画と投資を通じた将来のエネルギー需要への対応、2)価格乱高下の緩和を通じたエネルギー市場の安定化、3)低炭素排出と万人のためのエネルギー利用の促進を通じた持続可能な環境と社会の達成、4)地球規模のエネルギー対話の推進、といった諸課題にいかにして取り組んでいくかについての議論が行われた。
- 上記を通じて、参加者は石油価格の過度の乱高下への懸念を共有するとともに、エネルギー市場における透明性の更なる向上、石油のみならずガスも含んだJODI(共同機関データイニシアティブ)の一層の拡充の必要性等を再認識し、また国営石油会社(NOC)と国際石油会社(IOC)との間の協力、地域的な枠組での対話の促進等の重要性についても確認した。
- 今次閣僚級会合は、本年1月に就任したアルド・フローレスIEF事務局長(メキシコ)の体制下で初めて開催された閣僚級会合。
3. 閉会文書
今次閣僚級会合における議論の結果を踏まえ、ホスト国であるクウェート及び共同ホスト国であるアルジェリアとオランダより閉会文書(下記概要)が発出された。
(閉会文書概要)
- 2008年以降の石油市場を特徴づけている石油価格の過度の乱高下は、引き続き世界の経済成長を阻害する懸念材料であり、IEF参加閣僚は、市場の透明性の向上の必要性を強調するとともに、現物市場と金融市場との間の相互作用に関するIEA・IEF・OPECの共同研究を歓迎。
- JODIは、石油市場に関する重要な情報源として強く認識されるようになった。JODIの成功には、全ての関係機関・参加国による強固で継続的なコミットメントが不可欠。IEF参加閣僚は、JODI参加機関が統計専門家の育成に向けた努力を継続することを奨励。
- 将来の需要を維持するためには莫大な額の投資が必要となるが、これには国際社会が協調して不確実性を低減するための努力を行って初めて実現可能となる。IEF参加閣僚は、安定した法的・規制枠組、より一貫性のあるエネルギー・環境政策が必要な投資を確保するために重要であることを確認。
- IEF参加閣僚は、NOCとIOCとの間の協力は、石油・ガス部門への投資の獲得・最適化といった、業界が直面している主要な課題を解決する上で重要な役割を果たし得るとの認識。
- IEF参加閣僚は、IEF事務局が将来の活動プログラムにエネルギー貧困を維持することを奨励。
- 世界のエネルギー需要は2035年までに現行比で約50%増加すると予測されている。エネルギー効率の改善は、費用対効果の高い方法でエネルギー使用量を大幅に削減することができるとともに、温室効果ガスの排出の削減にも寄与しうる。
- IEF参加閣僚は、中立的なまとめ役としてのIEFの役割を強調し、地域的及び分野別の対話に対する支援を続けるよう事務局に要請。