経済

国際エネルギー・フォーラム(IEF)20周年記念特別閣僚級会合
(概要)

平成23年2月

1. 会議概要

(1)2月22日,サウジアラビアのリヤドにおいて国際エネルギー・フォーラム(IEF)20周年記念特別閣僚級会合が開催され,我が国からは,伴野外務副大臣及び中山経済産業大臣政務官が出席した。今次会合には,86か国の主要なエネルギー産出国及び消費国から閣僚級を含む代表が出席したほか,国際エネルギー機関(IEA)と石油輸出国機構(OPEC)など主要なエネルギー関係国際機関の事務局長等が参加した。

(2)今次会合では,エネルギー産出国と消費国による非公式な対話のフォーラムが発足してから本年で20周年を迎えたことを記念するとともに,産消対話の構造を一層強化するためのIEF憲章が採択され,出席した86か国が署名した。これにより,同憲章は本年3月24日より現行の事務局規程に代わるものとして実施されることとなった。

2. 主な討議の内容

(1)開会式

 ナイミ・サウジアラビア石油・鉱物資源大臣及びアブドルアジーズ・サウジアラビア石油・鉱物資源副大臣より,産消対話を通じた相互理解の更なる深化・進展への期待が表明された後,新たに作成されたIEF憲章によりエネルギー産出国及び消費国の信頼関係の醸成が進展することを期待する旨発言があった。また,IEF憲章が満場一致で採択された。

(2)IEF憲章署名式

 86の主要なエネルギー産出国及び消費国がIEF憲章を署名した。
 (参考)IEF憲章(法的拘束力を有さない文書として作成)のポイント

  1. 産消対話及びIEFの機能強化を図るための目的の明確化
  2. IEF事務局の機構強化
  3. IEFへの参加資格の明確化

(3)セッション1「現物市場と金融市場の関連及びエネルギー市場の規制」

 昨年11月にIEF/IEA/OPECの3機関が初めて共同で開催した原油市場と市場規制に関するシンポジウムの概要について説明があった。その後,伴野副大臣から,ポイント以下の発言を行った。

  1. 過度な原油価格の乱高下は,エネルギー市場のみならず,世界経済に対して大きな悪影響を及ぼすことから,産消国双方がその抑制に努力すべきである。IEF,IEA及びOPECの3機関が初めて協力してシンポジウムを開催し,エネルギー市場に関する議論が深められたことを評価。
  2. 原油価格の乱高下の対策として,需給状況の改善及び需給に関する共通認識を醸成するとともに,統計資料の整備等が必要。
  3. 我が国はIEF憲章への署名により,IEFの機能を更に強化し,産消国の多くが対話に参加することを促すことが重要。

 その後発言した各国からも,産消対話の重要性を指摘するとともに,関係機関の連携の進展を期待する発言が相次いだ。

(4)セッション2「エネルギー市場の傾向及び見通しの分析の共有」

 本年1月にリヤドで行われたIEF/IEA/OPECの3機関共催によるエネルギー見通しに関するシンポジウムの概要について説明があった後,各国からは,石油の安定供給及び価格の安定化の重要性について発言があった。また,中山経済産業大臣政務官からは,エネルギー市場の安定化に向けて産出国及び消費国が協力することの必要性につき発言した。

(5)セッション3「透明性及び共同機関データ・イニシアティブ(JODI)関連活動」

 各国から,エネルギー市場における不確実性の減少及び安定性のためには,市場参加者へのより良い情報の提供が重要であり,石油及びガスに関する統計データを収集し共有するための共同機関データイニシアティブ(JODI)の重要性が指摘され,データの質の更なる改善等について議論が行われた。

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