経済

アジア太平洋経済研究メカニズム:京都シンポジウムの議長声明(仮訳)

平成18年11月7日
於京都大学桂キャンパス

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  1. 2006年11月6、7日に、日本国外務省と京都大学の共催により、国際会議「アジア太平洋の持続的成長に向けて」が開催された。この会議では、浜田昌良外務大臣政務官、松本紘京都大学副学長が基調講演を行った。また、この会議には、アジア太平洋地域(オーストラリア、カナダ、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ、タイ、米国、ベトナム)と国際機関(ASEAN事務局、アジア開発銀行、IMF、世銀)からの約30名の専門家等が参加した。参加者は、ウェブサイトを活用した情報共有メカニズムの在り方について議論した。
  2. 会議参加者は、下記の事項について意見が一致した。

    (1)アジア太平洋経済の持続的成長にとっての課題に的確に対応するためには、これまで以上に迅速、的確にその経済、社会、環境の趨勢を把握し、継続的に分析することが不可欠である。

    (2)上述のようなアジア太平洋地域の実情把握、持続的成長の阻害要因・リスク予測、対応検討の前提として、必要に応じ既存の国際機関のデータを最大限活用しつつ、当該地域の重要な挑戦に関する情報共有メカニズムを整備することが必要である。

    (3)アジア太平洋地域に関する基礎的経済データと持続可能性データ(エネルギー、環境、資源等)を提供する、ウェブとインターネットを活用した情報共有ネットワークである「アジア太平洋経済研究メカニズム(Economic Information Sharing Mechanism of the Asia-Pacific; EiSMAP)」を構築するために参加者は協力する。参加者はまた、新たに出現しつつある問題に関する政策研究を促進するために協力する。

    (4)EiSMAPは、また、政策との関連性、低コスト、迅速性、信頼性、適切な指標選択、利便性といった性格を持つ。地域的協力ネットワークの需要に対応し、情報を適切に、とりわけ比較可能で国境を越える動きをカバーする形でデータ加工することにより、付加価値を生む。

    (5)参加者は、EiSMAPの目的に賛同し、貢献する意思をもつ協力者を募り、彼らの参加を歓迎する。

    (6)日本は、会議の結果を踏まえ、EiSMAP構築に向けた次のステップとして、小規模で試行的な情報共有の(持続的成長に関連するデータに焦点をあてた)ポータルサイト構築を提案した。参加者は、それぞれの持つ専門分野における知見と能力に応じて、協力することを約束した。

    (7)参加者は、既存のデータベースを活用し、補完することで合意した。施行期間の後、EiSMAPは、地域機関に対する明白な有用性および地域の政策問題への理解を基礎として、オープンで柔軟な協議プロセスを通じて、継続的に進化する。

    (8)参加者は、日本に対し、EiSMAPのAPECやPECCといった地域および国際的な機関との、より緊密な連携の可能性を探求することを提案した。

  3. 会議参加者は、EiSMAPの進捗を確認し、更に今後のステップを議論するため、明年京都で再び会合する希望を表明した。
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