平成22年11月30日
※注:ユネスコスクール:ユネスコスクール(UNESCO Associated School)とは,1953年にユネスコ憲章に示されたユネスコの理想を実現し,また平和や国際的な連携を学校での実践を通じて促進することを目的に設けられた制度。2010年11月現在,日本国内で237校がユネスコスクールに加盟。
ボコバ事務局長より,有形・無形の文化遺産や教育等の分野での日本のユネスコに対する支援に対する謝意,及び松浦前事務局長が推進したユネスコ改革を継続する旨の表明があり,前原大臣とボコバ事務局長は,引き続き,日・ユネスコ関係を強化していくことを確認。また,紛争・災害復興や地球規模の課題に対し,ユネスコはその専門性を生かして積極的に取り組んでいく旨の表明があり,前原大臣から日本も可能な協力を継続する旨述べた。さらに,2012年の世界遺産条約採択40周年における記念行事の成功に向けて,日・ユネスコ間で密接に協力していくこととなった。
11月26日,ボコバ事務局長は,国連大学において行われたシンポジウム「気候変動と教育:2010年代におけるユネスコの役割」で基調講演を行い,ユネスコの取組を紹介した。さらにボコバ事務局長は,日本ユネスコ国内委員会委員や国内のユネスコ関係者との意見交換を行い,日本におけるユネスコ活動について理解を深める機会となった。
ユネスコスクールに認定されている渋谷教育学園渋谷中学高等学校を訪問し,若い世代に向けて,ユネスコの理念や役割,文化遺産保護や教育分野での取組等についてアピールを行った。また,宇宙航空研究開発機構(JAXA)を訪問し,日本の宇宙技術に触れるとともに,JAXA及びICHARM(水災害・リスクマネージメント国際センター)関係者等を交えた記者懇談会を行い,JAXAとユネスコのパートナーシップ取り決めの進展や,ユネスコが最近公表した2010年科学白書を紹介し,ユネスコの科学分野での取組及び日本との協力につき積極的に広報した。
11月27日,門川京都市長の案内で,琵琶湖疏水「水路閣」を視察した他,元離宮二条城(ユネスコ世界遺産),重要無形文化財保持者(人間国宝)である京友禅の森口邦彦氏の工房を視察し,我が国の有形・無形文化財への理解を深めた。また,京都工芸繊維大学・京町家連携キャンパス「邇邇芸(ににぎ)」において,文化遺産の保存等を学ぶ大学生たちとの交流会を行い,有形・無形の文化財の保護に係るユネスコの活動等について講演し,この分野の将来を担う若者たちとの対話を通じて,ユネスコが各国と連携して文化遺産の保存・振興に取り組む姿勢を示した。
松浦前事務局長が推進したユネスコ改革に関し,ボコバ事務局長による改革路線の継承と,改革プロセスの進展について,日・ユネスコ間で協力していくこと,さらに,日本による支援の継続が確認された。
前原外務大臣をはじめとする我が国要人との会談を通じて,気候変動や紛争・災害復興等の地球規模の課題の解決に向けたユネスコの取組に対し,教育面・文化面も含めた我が国の取組をアピールするとともに,これら課題の解決に向けて我が国とユネスコが協力して取り組んでいくことの重要性が確認された。
2012年に予定されている世界遺産条約採択40周年における記念行事の実施について,今後,日・ユネスコ間で成功に向けて密接に協力していくことが確認された。