文化外交(海外広報・文化交流)

トロフィについて

(写真)トロフィ

 トロフィは佐藤卓氏のデザインによるものであり、その形は漫画につかわれる「ふきだし」が4つ、垂直方向(奨励賞は水平方向)に連なった形をしている。
 トロフィというと一般的に杯の形をしていることが多いが、国際漫画賞のトロフィのモチーフであるふきだしは、漫画の中で作られた象徴であり、漫画を表すアイコンであり、世界中の全ての言語、全ての言葉を受け入れることの出来る杯である。 また、ふきだしの形だけでどんな声色であるのか、どんな思いでいるのかを伝えることができる。世界中の人々の声色や思いが、文化や言語の違いを超えて伝わるように、との願いが込められている。

 また、このトロフィには台座がない。漫画は台座のような権威の上に成り立っているのではなく、漫画を描き或いは漫画を楽しむ人々の間から生成したものであり、自由に存立している。そこで、トロフィにも台座をつけず、それ自体で屹立するような形にした。

 トロフィには、表が「MANGA」、裏が「まんが!」の文字が刻まれている。
 日本風のマンガを意味するものとして、すでに世界中で受容されている単語である「MANGA」を表面に配している。裏面には日本語独自の表音文字であるひらがなで「まんが」と記した後、日本語にはなかった感嘆符「!」を続けて書くことで、新たな作品と出会う驚き!と、日本語とそれ以外の言語との融合、文化の多様化が進む現代的な状況を反映している。


(写真)佐藤卓 グラフィックデザイナー

佐藤卓
グラフィックデザイナー

 1955年東京生まれ。
 1979年東京芸術大学デザイン科卒業、1981年同大学院修了、株式会社電通を経て、1984年佐藤卓デザイン事務所設立。
 「ニッカ・ピュアモルト」の商品開発から始まり、「ロッテ ミントガムシリーズ」「ロッテ キシリトールガム」「大正製薬・ゼナ」「明治おいしい牛乳」「エスビー食品SPICE&HERBシリーズ」「NTTドコモP701iD、P702iD」等の商品デザインを手掛けるほか、「金沢21世紀美術館」「首都大学東京」「’07年改訂 国立科学博物館」等のシンボルマークデザイン、NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」の企画メンバー及びアートディレクション、大量生産品をデザインの視点で解剖する「デザインの解剖」プロジェクトなどを手掛ける。また、2007年3月に東京ミッドタウン内にオープンした21_21DESIGN SIGHTのディレクターを務める。

 共著書に、「SKELETON」(六耀社)。著書に、「デザインの解剖」シリーズ(美術出版社)、「クジラは潮を吹いていた。」(トランスアート)等。
 主な展覧会に、「NEO-ORNAMENTALISM」展(1990年)アクシス・ギャラリー、「デザインの解剖」展(2001年~)松屋デザインギャラリー、「都市に潜むルーメン」展(2002年)ギャラリー巷房、「デザインの原形」展企画参加(2002年)松屋銀座8階大催場、「佐藤卓展 PLASTICITY」(2004年)ギンザ・グラフィック・ギャラリー、「紙の化石」展(2004年)HBギャラリー、佐藤卓展「日常のデザイン」(2006年)水戸芸術館 現代美術ギャラリー。
 主な受賞として、毎日デザイン賞、東京ADC賞、JAGDA新人賞、東京TDC賞、日本パッケージデザイン大賞金賞、Gマーク大賞等。
 東京ADC、東京TDC、JAGDA、日本デザインコミッティー、AGI会員。

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