文化外交(海外広報・文化交流)

平成22年度 第30期外交官・第14期公務員日本語研修

平成23年6月8日


(写真)第30期外交官・第14期公務員日本語研修の参加者達  第30期外交官・第14期公務員日本語研修の参加者(外交官32名,公務員8名)が,平成22年10月から8ヶ月にわたり,国際交流基金・関西国際センターにおける日本語研修に参加しました。研修生は集中的な日本語研修を受けたほか,日本の政治・経済に関する講義や各地視察を行いました。平成23年5月30日には,外務省にて修了証書授与式が行われました。

 冒頭,高橋千秋外務副大臣による挨拶が行われ,東日本大震災に際して,参加者の母国を初め多くの国々から受けた支援に対し謝意を伝えるとともに,復興に向けた決意を表明しました。また,研修で得た経験や知識を活かして,日本との絆を一層深めるために活躍されることを祈念すると述べました。

 続いて,櫻井国際交流基金理事,来賓代表のレヴァズ・ベシッゼ駐日グルジア大使から祝辞を頂いた後,村田広報文化部長から研修生一人一人に修了証書を授与しました。

 最後に,研修生を代表して外交官代表のセルビアのグルビッジ氏,公務員代表のザンビアのムベウェ氏が,研修で培った日本語で挨拶を行いました。

高橋千秋外務副大臣挨拶

(写真)高橋千秋外務副大臣  外交官・公務員日本語研修生の皆さん,こんにちは。日本語で話しますのでよろしくお願いします。外務副大臣の高橋千秋です。今日は外交官・公務員日本語研修修了式に多くの方にお集まりいただきました。研修生のみなさん,研修修了おめでとうございます。長い期間の研修,お疲れ様でした。また,本日は,各国大使はじめ,大勢の皆様にお集まりいただきました。心より御礼申し上げます。

 皆さん,約8ヶ月,大阪で缶詰め状態になって,日本語研修を受けられたと聞いております。私の言っていることが理解いただけるほど,勉強されたことと思います。この間,日本では,東日本大震災が起こりました。東日本大震災で日本は大きく変わりつつあります。この震災では皆さんの母国をはじめとする世界中の国と地域などから様々な支援が沢山寄せられました。御在席の各国大使・外交団の方々に対し,改めて感謝申し上げます。

 日本は大きく変わりつつあります。震災後も日本にとどまって研修を続けられた皆さんに,敬意を表するとともに,皆さんが日本にとどまり続けられたことが大きなメッセージとなりました。心より感謝申し上げます。

 本日も本研修を終了した大使にご参加いただいていますが,みなさんもまた将来,大使となって日本に戻っていらしてください。また母国で大臣となって日本に協力していただければありがたく思います。

 私は東日本大震災の前日に副大臣となりました。東京は大きく揺れましたが,皆さんは大阪にいらしたので,地震を感じなかったのでしょうが,テレビでは御覧になったのではないかと思います。今回研修を終了され帰国された際には,日本は大丈夫,日本は元気であるというメッセージを伝えてください。これが一番のお願いです。日本は遠いかもしれませんが,是非また帰ってきていただきたいと思います。日本は,これから暑い時期となります。皆さんは秋にいらして,これから帰国されるので,日本の夏をご存じないかと思いますが,是非,日本の夏も体験していただきたく思います。

 最後に,皆さんが,この研修を無事に修了されたことをお祝い申し上げるとともに,今回の研修で得た日本語の能力や日本に関する知識を活かして,日本と皆さんの母国の交流に励まれることを願って,私の挨拶とさせていただきます。

ネマニャ・グルビッチさん挨拶(外交官研修代表)

 高橋外務副大臣,桜井理事,村田広報文化交流部長,ベシッゼ大使閣下,みなさま,本日は私たちの修了式のために,お集まりいただき,誠にありがとうございます。私は,ネマニャと申します。セルビアの外交官です。外交官28名を代表して,一言ご挨拶させていただきます。

(写真)外交官研修代表ネマニャ・グルビッチさん  私はこのプログラムに選ばれたとき,少し心配しました。日本はセルビアから遠い国ですし,文化や考え方もちがいますし,それに日本語はとても難しいと思いました。いくら大学でアジアの色々なことについて研究しても,アジアに住むことは,ずいぶん違うと思いました。もちろん,家族や恋人や友人から離れるのも大変でした。でも,関西国際空港に到着したとき,私はすぐ日本と恋に落ちました。私が見た最初の日本のイメージは青い海と高いビルときれいな町と親切な人々でした。

 この8ヶ月間,私たちは日本について色々なことを習いました。外交官・公務員のプログラムの中で一番大切なことは日本語の勉強ですが,私たちは日本の文化や歴史や考え方や政治などについても学ぶチャンスがありました。また,私たちは茶道や書道や武道など,日本の伝統的な芸術を体験することもできました。それから,日本の省庁や,大きな町や,世界中で有名な会社を訪問するのは,日本の政治や経済を学ぶのにとても役に立ったと思います。それ以外にも,自主研修旅行のおかげで,私たちは日本の色々な地方を訪問する機会がありました。私と私の友達は,そのとき,北海道へアイヌ民族の特別な文化と歴史を研究しに行きました。

 センターの生活は面白くて,とても楽しかったです。建物と設備は便利で近代的ですから,関西国際センターは住みやすいです。もちろん,寂しいときもありましたが,そのときはカラオケルームへ遊びに行って,もう一度元気になりました。

 すべての外国語を勉強するのは,外交官にとって必要だと思います。外交の大切な道具ですから。日本語を勉強するのは面白いですが,多くの時間と労力が要ります。日本へ来たときは,ほぼ全ての研修生は日本語が全くわかりませんでしたが,今は,みんな日本人と色々なトピックについて話せるようになったと思います。親切で日本語を教えた経験がたくさんある先生たちのおかげで,今はどこへ行っても,どのような問題があっても,私たちは日本語を使って問題を解決する事ができます。

 残念ながら,日本にいるとき,悲劇的な自然災害が起こりました。私は被災者の家族と日本人と日本の政府へのメッセージがあります。我々の国は,いつも日本のそばにいて,日本をぜひ助けたいと思っています。また,長い歴史を持つ賢明な日本国民は,これまでの歴史と同じように,必ず日本を復興させることができると思います。私たちも,みんな,個人的に貢献したいと思っています。

 このプログラムは,世界中で日本の文化を広めるために,とても必要だと思います。それは,日本にまだ興味がない外交官は,日本に興味を持つようになり,また日本に興味のある外交官は日本がもっと好きになるからです。ですから,これからも,必ずこのプログラムを続けて下さい。

 最後に,もう一度,日本国外務省,国際交流基金関西国際センター,そして大阪のみなさまに心より感謝を申し上げます。簡単ですが,これを私のご挨拶をさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

ロムトゥンジ・ムベウェさん挨拶(公務員研修代表)

(写真)外交官研修代表ロムトゥンジ・ムベウェさん  高橋外務副大臣,桜井理事,村田広報文化交流部長,ベシッゼ大使閣下,みなさま,こんにちは。今日は,私たちのために修了式をしていただいて,本当にありがとうございます。私はザンビアの公務員で,ロムと申します。まず,このコースの公務員7名を代表して,日本政府,外務省,国際交流基金にお礼を申し上げます。このような貴重なチャンスを得て,日本に来て,8ヶ月のコースに参加する ことができて,大変,光栄でした。 去年の10月に日本に来たばかりのとき,私たちは全然日本語ができませんでした。でも,関西国際センターの先生たちのおかげで,8ヶ月の間に,文法,漢字,会話やスピーチなどの授業に参加して,日本語が話せるようになりました。今の私は自信をもって,公務員を代表して,スピーチすることができます。いま,私たちは日本語で簡単な会話ができるので,ひとりで出かけても大丈夫です。

 また,このコースで,日本の長い歴史,政治や経済,ソーシャル・ライフなどについて,いろいろな勉強をしました。8ヶ月の間に,日本のいろいろなところへ行って,いろいろな体験をしました。私たちは2月に,自主研修旅行がありました。行きたいところを選んで,自分でインターネットでホテルとチケットを予約しました。この方法はとても難しかったですが,旅行は楽しかったです。私は沖縄へ行きました。那覇で親切なおばあさんに会いました。そのおばあさんは,私たちを晩御飯に招待してくれました。とても嬉しかったです。

 このプログラムのおかげで,32ヶ国の36名の参加者が集まって,私たちは家族のようになかよくなりました。皆さん,一生の友だちになって,この友情を忘れないで,永遠に続けていきましょう。

この場をおかりして東北地方の大震災の被災地の皆さまに,心よりお見舞いを申し上げます。私たちは,日本の国民が落ち着いて,お互いに助け合って,行動することに感心しました。私たちも復興を応援しています。

 最後に,もう一度,みなさまに心より感謝したいと思います。どうもありがとうございました。

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