文化外交(海外広報・文化交流)

平成21年度第29期外交官・第13期公務員日本語研修

平成22年6月


(写真)

 第29期外交官及び第13期公務員日本語研修の参加者28名(外交官23名,公務員5名)が,平成21年10月から8ヶ月間に渡り,国際交流基金・関西国際センターにおける日本語研修に参加しました。研修生は集中的な日本語研修を受けたほか,日本の政治・経済に関する講義,地元小学校への訪問,自分たちでアレンジする地方研修旅行などを行いました。

 平成22年5月20日には,外務省講堂において修了式が行われました。主催の武正公一外務副大臣による冒頭挨拶,坂戸国際交流基金理事からの祝辞に続き,門司広報文化交流部長から研修生一人一人に修了証書を授与しました。続いて来賓を代表しマルワン・アブドッラー・アブドゥルワッハーブ・ノーマン駐日イエメン共和国大使から祝辞を頂いた後,研修生代表として外交官・公務員各1名が,研修で培った日本語で挨拶を行いました。


武正公一外務副大臣挨拶

(写真)武正公一外務副大臣

 外交官・公務員日本語研修生の皆様,研修の修了おめでとうございます。また,本日は,お忙しい中,各国大使を始めとする大使館の方々に,修了証書授与式にお越し頂き大変有り難うございます。

 皆様は,8ヶ月間にわたる国際交流基金関西国際センターでの日本語研修を終えられました。私の日本語の挨拶をこのように十分に理解されている姿を拝見し,改めて皆様がいかに努力されてこられたのかが良くわかりました。また,皆様は,これまで,日本の文化や歴史についても熱心に勉強を重ねてこられると共に,ホームステイや日本の若者との交流を通じて,日本人の習慣や考え方に直接触れていただく貴重な経験をされました。

 外交官・公務員日本語研修には,これまで約700名の方々が参加されています。本日は,この日本語研修を修了され,現在在日公館で活躍されている大使・外交官の方々にもご出席頂いていますが,研修修了者の多くが,在日公館もしくは本国の日本関係部署に勤務されています。研修を修了された皆様が,御帰国後,皆様の母国と日本との友好の架け橋として,また母国の一層の発展のために,益々ご活躍されることを心より希望しています。近い将来,日本で,或いは,世界のどこかで皆様と再会出来ることを心より願っています。その際は,是非日本語で親しくお話をしましょう。

 最後になりましたが,皆様のご健勝と益々のご活躍を祈念し,私のお祝いの言葉とさせていただきます。ありがとうございました。


プリンセス・シャロン・ローズ・ソリリヤさん挨拶 (外交官研修代表)

(写真)プリンセス・シャロン・ローズ・ソリリヤさん(外交官研修代表)

 みなさま本日は私たちの修了式のためにお集まりいただき,まことにありがとうございます。私はシャロンと申します。フィリピンの外交官です。外交官23名を代表して,一言ごあいさつさせていただきます。

 時間はなんとはやく過ぎるのでしょう。はじめて私たちがここへ来たのは,外務省の歓迎レセプションのためでした。今,卒業のためにまた,ここへ来ています。この日は私たちが待っていた日です。8か月間,日本語と文化を勉強して,今日私たちはその努力の成果を味わっています。日本でのこの8か月の経験は忘れられません。私たちは,訪問や,研修旅行や,講義などを通して日本の文化を経験することができました。それは私たちの仕事のために,本当に役に立ちます。特に,特別だったのは私たちの自主研修旅行でした。みんな,日本のいろいろな所を選んで,自分で,ホテルや交通や行きたい観光地について準備しました。私たちは金沢,長崎,沖縄,高山,愛媛などへ行きました。この旅行を通して,日本の生活やユニークな文化についての理解が深まりました。

 国際交流基金と外務省の,この外交官・公務員研修で私たちが学んだのは,日本語と日本文化だけじゃありません。ほかの参加者の国の文化と社会についても学びました。毎日の会話や関西国際センターのいろいろなイベント,たとえば,学校訪問やホストファミリーのプログラムなどで,私たちは,日本人だけではなく,お互いに対しても,自分の国を紹介しました。また,おしゃべりしたり,いっしょに料理を作ったり,カラオケルームで楽しんだりする中で,私たちはお互いの国のユニークさを学びました。さらに,私たちは世界中にネットワークをつくって,新しい友達もできました。でも,日本語と文化の勉強は本当に簡単なことではありませんでした。日本語を読んだり,書いたり,話したりできるようになるためには,集中力,興味,努力,そして練習が必要です。ですから,私は仲間の卒業生たちがこの研修をやりとげたことを誇りに思います。

 ここで私は卒業生を代表して,日本の政府,外務省と国際交流基金のみなさまにお礼を申し上げます。日本語を学ぶチャンスを下さって,また,いろいろなサポートをしてくださって,ありがとうございました。私たちの先生方や,関西国際センターのみなさまにも,お礼を申し上げます。本当にお世話になりました。でも私たちの関係はこれで終わりじゃありません。日本と私たちの国の友好関係は,これからも,続いていくでしょう。この研修の参加者たちは,研修の後,在日大使館に配属される者も大勢いて,研修で学んだ日本語・日本文化の知識を活かして,業務を行っています。この研修は,このように日本の専門家をそだてるのに役に立っていますので,この研修がこれからも発展することを心から願っています。また,私たちも,国へ帰っても日本語の勉強を続け,仕事に役立てて,日本と私たちの国の関係をより強くするために貢献したいと思います。そして,将来,ワーキングパートナーとして,ふたたび日本で会えることを願っています。

 最後にもう一度日本国外務省,国際交流基金関西国際センター,そして日本のみなさまに心より感謝を申し上げます。簡単ですが,これを私のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。


グエン・タイ・ビンさん挨拶 (公務員研修代表)

(写真)グエン・タイ・ビンさん(公務員研修代表)

 みなさん,こんばんは,私はビンと申します。ベトナムの公務員です。公安省で働いています。今日は公務員を代表して,一言ごあいさつ申し上げます。

 まず,今日はこのようなセレモニーをしていただき,ありがとうございます。そして,日本の外務省と国際交流基金のみなさんにはこのプログラムに招へいしていただき,とても感謝しています。私たちは,日本へ来たとき,日本語が全然できませんでした。そして,日本の生活にも慣れませんでした。しかし,毎日の日本語の勉強や研修旅行などから,日本の文化と生活がよく分かるようになりました。 新しい外国語の勉強するのはいつも大変だと思います。日本語は外国語の中で,難しい言葉の一つと言われています。しかし,私たちは最初に,このプログラムで日本語を教えていただきましたから,本当に運がよかったです。それは最高の環境でした。この8ヶ月文法,会話,スピーチなどの授業を受けて,今,私たちは日本語で日本の友達と話せるようになりました。そして,旅行をしたい時,自分で行けるようになりました。でも,これはまだ日本語の勉強のスタートだと思っています。これをよいスタートだと思って,これからも日本語の勉強を続けたいと思っています。

 旅行で印象的だったのは人の力です。たとえば,日本では1年中いろいろな祭りがありますが,小さい祭りでも集まって,みんなで祭りをつくります。そして,それを楽しみにしている人がとても多いです。祭りはいつもとてもエネルギッシュでみんな楽しそうでした。それは協力の力だと思いました。このような力があったら,大変な問題があっても,なんでも解決できると思いました。みんなで協力することの大切さを感じました。日本語の勉強の他にも,経験豊かな大学の先生や日本の外交官からレクチャーを聞いて,日本の歴史,開発だけでなく社会政策などももっと分かるようになりました。これも,私たちの仕事のプラスになることがたくさんありました。

 私たち,公務員はJICAの人やプロジェクトの人と働いています。たとえば,私の専門は公安省の国際関係なので,日本人とよく仕事しています。しかし,日本へ来る前は,日本人と仕事することは少し大変でした。言葉やコミュニケーションの問題があって,ときどき難しかったです。でも,今は,日本のことも理解でき日本語も少し使えるので,日本のパートナーともっと仕事しやすくなると思います。この研修にベトナムから参加したほとんどの人が日本とベトナム関係の仕事をしています。日本の大使館や外務省のアジア局などで,働いています。公務員もこれから増えると思います。ベトナム政府は日本語ができる外交官,公務員がもっと必要だと思っています。ですから,この研修がこれからも続いてほしいと思います。

 この8か月の経験は必ず将来の仕事の助けになると思います。最後に,もう一度お礼を言いたいと思います。この大切な8か月を本当にありがとうございました。

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