5月26日外務省7階講堂において、第28期外交官日本語研修・第12期公務員日本語研修の修了証書授与式が開催されました。両研修には、各国の外交官25名及び公務員5名の計30名が参加し、昨年10月から本年5月までの約8ヶ月にわたって、国際交流基金・関西国際センターにおいて日本語及び日本事情について研修を受けました。
研修参加者は、帰国後は、対日関係の業務に従事し、将来の日本専門家となることが期待されています。
修了式では、伊藤信太郎外務副大臣が挨拶を行った後、門司広報文化交流部長より修了証書の授与が行われました。また、小倉国際交流基金理事長及び、ルーズベルト・ラストン・ゴンドゥエ駐日マラウイ共和国大使からご祝辞をいただきました。
その後、研修生代表者2名(外交官1名・公務員1名)から、8ヶ月の研修で培った日本語によるスピーチが行われました。
皆さま、本日は私たちの修了式のために、お集まりいただき、本当にありがとうございます。
私はイケと申します。インドネシアからまいりました。外交官25名を代表して、ひとことごあいさつさせて いただきます。
皆さん、日本へ来てから、もう八ヶ月ですね。初めて日本へ来た時は、日本語も日本の文化も、ぜんぜんわかりませんでした。外へ出かけても英語はあまり通じませんから、身ぶり手ぶりで話しました。また、駅の表示も漢字だけでしたから、駅の人に聞いたり、自分で調べたりしました。それから、日本では店に入ると、みんなで「 いらっしゃいませ」と言います。初めて聞いた時はびっくりしました。日本の生活の中で、私たちはいろいろ知らないことを見つけました。おもしろいこと、大変なこともありましたが、本当に勉強になりました。
それから関西国際センターで、先生がいろいろ日本語や日本の知識や日本の文化を教えてくださって、だんだん日本についてわかるようになりました。日本語の授業は、文法や会話、漢字、スピーチ、ごい、発音など、いろいろなことを 勉強しました。また、会話が上手になるように、日本人の学生やセンターのスタッフ、会話パートナーの人たちと、できるだけたくさん話しました。それで、友だちもたくさんできました。もちろん、日本語のテストもありました。日本語の勉強は、時々大変でしたが楽しかったです。そして今、私たちは日本語がわかるようになりました。去年の10月、外務省へ来た時はぜんぜんわかりませんでしたが、今はちがいます。本当にうれしいです。
また、着物やいけばな、書道、茶道など、日本の文化についても学ぶことができました。本当にいい機会でした。それから、日本の政治や経済についての講義もありました。大学の先生方にいろいろなトピックについて説明していただいて、本当に勉強になりました。仕事のためにも役に立つと思います。
また、このコースの間に、自主研修旅行がありました。行きたい所を選んで、自分でインターネットでホテルとチケットを予約しました。この方法はむずかしかったですが、旅行は楽しかったです。これは忘れられない経験でした。
そして、いろいろな国から来た友だちができました。みんないっしょに日本語を勉強して、いろいろな所へ行って、いろいろなことを話して、食堂で同じ食べ物を食べて、本当におもしろかったです。みんなおたがいに助け合って、私たちは家族のようになりました。今、別れるのはさびしいですが、これからも世界中にいい友だちがいることは、とても大切なことだと思います。
みなさま、日本で経験したことは決して忘れません。大変なことやおもしろいこと、こまったことやびっくりしたこともありましたが、全部いい勉強になりました。そして、いい経験になりました。もうすぐ国へ帰るのは残念ですが、将来仕事のために、日本へ来るチャンスがあるかもしれません。そうだといいんですが。わたしたちは国へ帰る時、日本の思い出をもって帰ります。そして、日本での経験をこれから生かしていきたいと思っています。
最後にもう一度、日本国外務省、国際交流基金 関西国際センター、そして大阪の皆様に、心より感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。
今日は、私たちのために修了式をしていただいて、本当にありがとうございます。私はイラクの公務員で、ミサクと申します。まず、このコースの公務員5名を代表いたしまして、日本政府、外務省、国際交流基金におれいを申し上げます。
私は2年前から国際協力部のイラク復興プロジェクトで働いています。私が日本に来るとは夢にも思いませんでした。しかし、私は関西国際センターで8ヶ月、日本語を勉強しに来るチャンスを得ました。
去年の10月、関西国際空港に着いた時、始めて違う民族である日本人や文化や言葉に出会いました。私はどうやって勉強すれば、日本語が読めるようになるのか、とても不安でした。しかしイラク政府は、日本を大切なパートナーだと考えており、日本の文化をよく知る人を必要としています。そのため、私は勉強しなければなりません。
そして8ヶ月の間、日本語、文化、歴史、人々の生活、ふるまいなどを学びました。とてもおもしろかったです。まず、ひらがな、かたかな、簡単な文法の勉強から始めましたが、だんだんむずかしくなりました。しかし勉強することは楽しいことでした。
最初の一週間、1から10まで数を初めて習った時、とてもむずかしかったことをまだ覚えています。しかし、いつもわたしたちに日本語をいっしょうけんめい教えてくれた、やさしい先生方のおかげで、今ではスピーチもできるようになりました。
このプログラムには、スピーチのクラスがあります。最初に、自分の国の地理や民族についてスピーチをしました。それから観光について、国の歴史について、最後は、自分の国と日本の政治的・経済的な関係についてスピーチをしました。また、日本人の前で自分の国についてスピーチをして、質問に答える経験もしました。これは、ほんとうにドキドキしましたが、日本語を話すことに自信がつきました。
これから国へ帰ってから、今度は日本の文化や歴史や人々の生活について、国の人に話したいと思います。イラク人は日本についてとても興味を持っていますが、日本の文化はあまり知られていませんから、とてもおもしろいと思います。
最後にもう一度、みなさんに心より感謝したいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。