
2012年生物兵器禁止条約(BWC)締約国会合(概要と評価)
平成24年12月
1. 概要
- (1)2012年12月10日~14日,生物兵器禁止条約(BWC)締約国会合がジュネーブにおいて開催され,我が国を含む締約国101か国が参加しました。また,署名国3か国(ハイチ,ミャンマー,ネパール),未署名国2か国(イスラエル,モーリタニア)の他,国連軍縮部(UNODA),欧州理事会(EC),赤十字国際委員会(ICRC),北大西洋条約機構(NATO),化学兵器禁止機関(OPCW),世界保健機構(WHO),国際獣疫事務局(OIE)がオブザーバーとして参加しました。
- (2)今次会合では第7回運用検討会議(2012年)で合意された,1)国際協力・支援,2)科学技術の進展のレビュー,3)国内実施強化,4)信頼醸成措置(CBM)提出促進の4つの議題について,デルミ・アルジェリア・ジュネーブ常駐代表を議長として議論が行われました。また,普遍化活動に関する議長報告,履行支援ユニット(ISU)の活動報告などが行われました。
- (3)締約国は,各議題にかかる関心事項について意見を交わし,来年以降の年次会合において本年の議論を踏まえて各国がとった措置につき情報提供することを促す報告書をコンセンサスにて採択しました。
2. 評価
- (1)我が国は天野軍縮代表部大使他が出席しました。冒頭に団長よりステートメント(PDF)
を実施した他,条約遵守に関する作業文書を豪,加,ニュージーランド,スイスと共同で提出し,議論に貢献しました。
- (2)今次会合は, 3つの常設議題と2つの議題について議論するという新たな枠組みを決定した第7回運用検討会議後,最初に開催された締約国会合であり,会合運営そのものが試行錯誤で行われましたが,議長の優れた采配により,コンセンサスで報告書が採択されたことは,条約の実施に向けた締約国間の今後の協力の姿勢を表すものであり,評価できます。
- (3)なお,会合のサイドイベントで,長崎大学国際連携研究戦略本部の天野修司助教が,バイオ技術・生物剤の二重用途性(デュアルユース)問題への日本の科学コミュニティにおける認識の変化についてプレゼンテーションを実施し,デュアルユースの観点から科学コミュニティが検討すべき課題について,一つの材料を提供することができました。
3. 今後の予定
2013年は,ハンガリーの議長の下,専門家会合(8月12日~16日)及び締約国会合(12月9日~13日)が開催される予定です。
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