
2007年生物兵器禁止条約(BWC)専門家会合(概要と評価)
平成19年8月31日
- 8月20日から24日、生物兵器禁止条約(BWC)専門家会合がジュネーブにおいて開催され、我が国を含む締約国90ヶ国が参加し、署名国5ヶ国(エジプト、ハイチ、ネパール、シリア、アラブ首長国連邦)、未署名国1カ国(イスラエル)、国連(国連軍縮部(ODA)及び国連軍縮研究所(UNIDIR)を含む)、アフリカ連合(AU)、赤十字国際委員会(ICRC)、国際刑事警察機構(INTERPOL)、アラブ連盟及び化学兵器禁止機関(OPCW)がオブザーバーとして参加した。
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今次会合は昨年12月に行われた第6回運用検討会議で合意された、2011年の次回運用検討会議までの年次会合プロセスに基づいて開催されたものであり、カーン・パキスタン軍縮代表部大使を議長として本年の2つの議題である「国内法制度・機関の強化と法執行機関間の連携を含む、国内実施の強化手段」及び「BWC履行の地域的協力」について議論が交わされた。最終日には、その概要を記した報告書が全会一致で採択され、右報告書には締約国より提出されたステートメント、プレゼンテーション、作業文書、及び右内容を議長がとりまとめたリストが添付された。
【2011年までの年次会合で議論するトピック】
(i)国内法制度・機関の強化と法執行機関間の連携を含む、国内実施の強化手段(2007年)、(ii)BWC履行の地域的協力(2007年)、(iii)病原菌・毒素の実験室レベルでの安全を含む、バイオセイフティ・バイオセキュリティ向上のための国内的・地域的及び国際的な措置(2008年)、(iv)条約禁止目的に利用されうるバイオ科学技術の悪用を予防するための、監視、教育、意識向上及び行動規範(2008年)、(v)平和目的の生物学的科学技術の国際協力の向上のための、疾病サーベイランス、検知、診断及び封じ込め等の分野におけるキャパシティ・ビルディングの促進(2009年)、(vi)疾病サーベイランス、検知、診断及び公衆保健システムの国内能力向上を含む、生物・毒素兵器の使用疑惑に際した支援の提供と関係機関との連携(2010年)
- 今次会合においては、多くの専門家、政府関係者による情報提供と意見交換が行われ、締約国間の理解促進に資することができた。また、右情報が項目別に纏められ報告書の一部とされたことにより、12月の締約国会合における合意に向けた準備が整えられたことで、我が国は、今次専門家会合は十分な成果を残すことが出来たと評価している。
- 我が国は、樽井軍縮代表部大使が代表団長を務め、我が国の取り組みを紹介するプレゼンテーション及び作業文書を提出し、議場での議論に貢献した。
- 今次会合の議論を踏まえ、12月に締約国会合(12月10日から14日)が開催される予定。
【関連ホームページ】http://www.unog.ch/bwc
(国連軍縮局内のBWC関連ページ)