軍縮・不拡散

2005年生物兵器禁止条約(BWC)専門家会合
(概要と評価)

平成17年7月5日

1.概要

(1)6月13日~24日、生物兵器禁止条約(BWC)専門家会合がジュネーブにおいて開催され、我が国を含む締約国82ヶ国が参加し、未加入国4ヶ国(エジプト、マダガスカル、シリア、イスラエル)、国連(UNIDIR及びUNMOVICを含む)、FAO、ICGEB、ICRC、OECD、OPCW、UNESCO、WHO及びOIEがオブザーバー参加した。また、議長のゲストとして招待された関連団体等及びNGOが公開セッションに参加した。

(2)BWCは条約の遵守を検証する手段に関する規定が不十分であるため、条約を如何に強化するかが課題となっており、締約国は2002年11月に採択された3ヵ年作業計画【注】 に基づき議論を継続している。今次会合は右作業計画に基づき開催されたものであり、フリーマン英軍縮代大使(西側グループ代表)を議長として、本年の議題である「科学者の行動規範」に関する議論が行われた。

(3)今次会合では、本年の議題に関する各国の制度及び取り組みを紹介する多数のプレゼンテーションの発表及び作業文書の提出が行われ、昨年に引き続き活発な意見交換が行われた。最終日には、今次会合の概要を記した報告書が全会一致で採択された。右報告書には締約国より提出されたステートメント、プレゼンテーション、作業文書、及び右内容を議長がとりまとめたリストが添付された。

【注】 締約国は、締約国間の「共通理解(common understanding)」及び「実効的措置(effective action)」を促進することを目的として、専門家会合及び締約国会合を3年間(2003~2005年)毎年開催し、BWC強化に関する5分野(条約の国内実施措置、生物剤の保安管理(バイオセキュリティ)、感染症サーベイランス、危機対処及び科学者の行動規範)について議論する。

2.評価

(1)今次会合においては、「科学者の行動規範」に関わる多様な分野の専門家による情報提供と活発な意見交換が行われ、締約国間の理解促進に資することができた。また、右情報が項目別に纏められ報告書の一部とされたことにより、12月の締約国会合における合意に向けた準備が整えられた。我が国は、今次専門家会合は締約国会合の準備会合として十分な成果を残すことができたと評価している。

(2)我が国は、美根慶樹軍縮代表部大使を代表団長として、複数の専門家により構成される代表団を派遣し、我が国の取り組みを紹介するプレゼンテーション及び作業文書を提出し、議場での活発な議論に貢献した。

3.今後の予定

 2005年12月5日~9日 BWC締約国会合(於 ジュネーブ)
 2006年後半 BWC運用検討会議(於 ジュネーブ)

【関連HP】

 国連:http://www.un.org/disarmament/WMD/Bio/BioSecondPageBWC.shtml 他のサイトヘ
 ブラッドフォード大学:http://www.opbw.org/ 他のサイトヘ
 BWPP:http://www.bwpp.org/ 他のサイトヘ

このページのトップへ戻る
目次へ戻る