2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」外交
―世界が大阪に集い、未来を共につくった184日間―

1 大阪を世界へ―いのち輝く未来社会のデザイン
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が4月13日から10月13日までの184日間、大阪府大阪市夢洲(しま)で開催されました。

1970年に大阪で開催された「日本万国博覧会(大阪万博)」、2005年に愛知で開催された「2005年日本国際博覧会(愛・地球博)」に続き、20年ぶりとなる日本主催の「登録博」(旧一般博)である大阪・関西万博は、日本で開催された国際博覧会としては最多となる、158の国と地域、7の国際機関*1が公式に参加し、来訪者数は2,900万人を超えました。
世界中の人々が多様でありながらも、ひとつにつながり、対話し、共働し、それぞれの文化を共鳴させ合い、共に万博を共創し、いのち輝く未来社会に向けたメッセージを発信することができました。
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大阪万博 (1970年) |
愛・地球博 (2005年) |
大阪・関西万博 (2025年) |
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|---|---|---|---|
| 会期 | 3/15-9/13 (183日間) |
3/25-9/25 (185日間) |
4/13-10/13 (184日間) |
| テーマ | 「人類の進歩と調和」 | 「自然の叡(えい)智」 | 「いのち輝く未来社会のデザイン」 |
| 総入場者数 | 約6,422万人 | 約2,205万人 | 約2,902万人 |
| 参加国・地域数 国際機関数 |
77か国(日本を含む。) 4機関 |
121か国(日本を含む。) 4国際機関 |
158の国・地域 7国際機関 |
2 世界を大阪へ ― 参加招請と機運醸成
大阪・関西万博の開催に向けて、外務省はこれまで国際社会に対して積極的に参加招請を行い、過去最多の参加国等の確保に大きな役割を果たすとともに、開催前には数多くの在外公館において、レセプションやイベントを活用した機運醸成活動も積極的に展開しました。
また、開発途上国の出展に当たっては、包括的かつきめ細かな支援を提供し、開発途上国が万博に無理なく参加でき、テーマに沿った魅力的な展示を行えるよう協力しました。設営や運営、関係者の宿泊、ナショナルデーの開催など幅広く丁寧にサポートした結果、アフリカ、中南米、大洋州を含む幅広い国々が、展示や行事を通じて自国の魅力を十分にアピールすることが可能となりました。
こうして、世界各地からの参加が実現し、大阪はまさに世界が集う舞台となりました。

(3月24日、在オーストリア日本国大使館)

万博で、ヨルダンは「未来を紡ぐ」をテーマに、名所であるワディラム砂漠の砂約22トンを日本に運び込んで再現し、来館者の心をつかみました。靴を脱いで、ひんやりとした砂の上を歩く体験ができたヨルダン館は、「テーマ解釈」部門金賞に輝きました。また、万博会場に鳥取砂丘を再現した鳥取県との間では、砂を縁に「砂同盟(サンド・アライアンス)」を結ぶという、特別な友情も生まれました。
5月7日のヨルダン・ナショナルデーには、フセイン皇太子殿下が来日しました。ヨルダン王室と親密な関係を築かれている高円宮妃殿下が大阪でフセイン皇太子殿下をお出迎えされ、親交を深められたことは、万博を通じた日本とヨルダンの友好関係の発展を象徴しました。フセイン皇太子殿下は東京も訪問し、秋篠宮皇嗣同妃両殿下、佳子内親王殿下並びに悠仁(ひさひと)親王殿下が、秋篠宮邸において、ご夕餐(さん)にお招きになったほか、石破総理大臣と会談し、二国間関係の更なる発展と、ガザ情勢を始めとする中東地域の諸課題について議論を深めました。また、同じく来日したサファディ副首相兼外務・移民相は、林芳正官房長官及び岩屋外務大臣とそれぞれ会談を行いました。
日本は、中東地域の安定の要として役割を果たし続けているヨルダンと、戦略的パートナーとして、また、良き友として多層的な関係を築いてきています。日・ヨルダン外交関係は2024年に樹立70周年を迎えました。2025年は万博を通じ、日本とヨルダンの結び付きを再確認し、「未来を紡ぐ」年になりました。

(大阪 写真提供:博覧会協会 ©Expo 2025)
3 友情と信頼を育む日々―ナショナルデー・スペシャルデー
大阪・関西万博の期間中、参加国・地域及び国際機関の参加をたたえ、各々の文化に対する理解を深め、国際親善の増進に寄与することを目的にナショナルデー(国・地域)及びスペシャルデー(国際機関)が連日開催されました。外務省は、ナショナルデー及びスペシャルデーにあわせて、参加国・地域及び国際機関の代表を博覧会賓客として招へいし、1日を通して、万博会場内における賓客一行の接遇に大きな役割を果たしました。
外務副大臣や外務大臣政務官等外務省幹部は日々、公式式典及び公式催事(文化プログラム)、午餐会や晩餐会に出席し、日本館や各国パビリオン視察に同行しました。公式式典及び公式催事などでは、各国・地域及び国際機関の公式参加者のほか、一般の来場者とも交流を深めることができました。また、各国・地域のナショナルデーには、各パビリオンが独自のイベントを開催することも多く、これら行事を通じ、日本と世界中の方々との間に友情や信頼を育むことができました。

(9月9日、大阪 写真提供:博覧会協会 ©Expo 2025)

4 地球規模課題に挑む―万博とSDGs
2025年は、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)達成の目標年である2030年まで残り5年となる年で、SDGs実現への取組を加速するために極めて重要な年でもありました。その節目となる年に開催された大阪・関西万博は、地球規模課題にも挑戦するプラットフォームとなりました。
開催国のパビリオンである日本館では、「いのちと、いのちの、あいだに」をテーマに、多彩な「循環」を表現し、国内外の多くの賓客や来場者に、日本が世界に誇る技術や文化を発信しました。
そのほか、万博会場内で開催された、SDGsシンポジウム「OSAKA JAPAN SDGs Forum」*2の冒頭において、岩屋外務大臣がビデオ・メッセージを寄せ、万博が、SDGsのベースとなる知見を国際社会と共有する知的交流の場であることを強調しました。

(大阪 写真提供:経済産業省)
5 世界中からの要人往来がもたらした成果―万博外交
万博開幕以降、ナショナルデー及びスペシャルデーといった機会に、約90人に及ぶ元首・首脳級や、約50人の外相級を含め、世界各国から多くの要人に万博会場を訪問いただきました。こうした機会を捉え、石破総理大臣は約50件、岩屋外務大臣は約40件の会談を実施し、二国間関係や国際社会の諸課題について、各国との意思疎通を図りつつ、連携を一層強化することができました。
総理大臣や外務大臣が、なかなか出張で訪れる機会を持てない国も含め、じっくりと二国間関係や国際情勢について意見を交わす機会を得られたのは、万博開催国ならではの成果です。来日された各国要人には、今回の万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を体現する日本の姿を全体として感じ取っていただき、今後の外交につながる強固なネットワークを構築することができました。
また、万博は、海外の活力を日本に取り込む契機ともなりました。各国の要人が訪日する際は、ビジネス関連の日程を組まれる場合が多く、大きな相乗効果がありました。さらに、大阪以外の地方を訪問される例も多く、地方創生にもつながりました。
加えて、万博を通して、政府関係者のみならず、経済界、学術・文化関係者を含め、多くの国民の皆様が世界と交流を深め、外交の裾野を広げるとともに、日本の魅力を国際社会に広く発信する貴重な機会になりました。


(7月7日、東京)

(7月18日、東京 写真提供:首相官邸ホームページ)

6 未来を共につくった184日間―次世代へ受け継がれるレガシー
閉幕日である10月13日には、大阪・関西万博宣言フォーラムが開催され、万博の成果を広く世界に発信していくため、「大阪・関西万博宣言」が発表されました。以下は、宣言文の抜粋です。
世界各地からの参加者と出展者が、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、大阪・関西に結集して184日間の登録博を開催し、世界中から2,800万人を超える来場者を迎え入れた。
会期前のパビリオン建設や展示準備における様々な制約、そして会期中の運営における困難などを乗り越え、関係者は一貫して密接に連携し、日々、改善・進化を続け、会期を全うした。国際社会が多様な課題に直面し、将来に向けた展望に不確実性が高まる中、165の公式参加者とホスト国はナショナルデー・スペシャルデーを称え合いながら、それぞれの独自の文化とアジェンダを力強く表現し、大阪・関西をはじめ日本中、世界中からの来場者とともに万博を共創しつつ、大屋根リングに体現される「多様でありながら、ひとつ」とのメッセージを世界に発信した。
(中略)
大阪・関西万博では、関わったすべての人々が、多様でありながらも、ひとつにつながり、対話し、共働し、それぞれの文化を共鳴させ合う中で、いのち輝く未来社会に向けたメッセージを発信してきた。そうした議論や実践が、今後の万博に継承されるとともに世界の人々が未来社会をデザインしていくことに資することを願い、本宣言とする。

*1 うち国際連合(国連)は、計35の国連関係機関で構成
*2 OSAKA JAPAN SDGs Forum:2024年までは「SDGs全国フォーラム」の名称で開催
2025年は大阪府主催で大阪・関西万博にあわせて開催された。
SDGsの推進による地域課題の解決や地方創生の実現、SDGsに関する先行事例の共有、官民連携などのパートナーシップの促進を目的とする。
