3 海外移住者や日系人との協力
日本人の海外移住の歴史は2017年で149年となった。北米・中南米を中心として、全世界に約360万人(推定)以上の海外移住者や日系人が在住している。移住者や日系人は、政治、経済、教育、文化を始めとする各分野において各国の発展に寄与するとともに、日本と各在住国との「架け橋」として各国との関係緊密化に大きく貢献している。
外務省は国際協力機構(JICA)と共に、約213万人(推定)の日系人が在住している中南米諸国において、移住者の高齢化に対応する福祉支援、日系人を対象とした日本国内への研修員受入れ、現地日系社会へのボランティア派遣などの協力を行っている。5月には、「中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会」の報告書が岸田外務大臣に提出され、日系社会との更なる関係強化の必要性が提言された。
これまでも、北米・中南米では、各国・地域の様々な分野で指導的立場にいる日系人を日本に招へいするプログラムが実施されているほか、日本からの要人訪問の機会に日系人との接点を積極的に設けるなど、各国の在外公館は日系社会と緊密に協力し合うことで、日系人との関係強化を図っている。
10月、東京では、19か国から約250人の移住者や日系人の代表者を迎え、公益財団法人海外日系人協会の主催による第58回海外日系人大会が盛大に開催された。外務省も河野外務大臣が歓迎レセプションを開催するなど交流の深化に貢献した。今後も移住者や日系人に対する支援を行うとともに、若い世代との協力を推し進め、これらの人々と日本の間の絆(きずな)を強めていく考えである。