外交青書・白書
平成27年版外交青書(外交青書2015)の刊行に当たって

外務大臣就任以来2年3か月余、精力的に各国外相などとの意思疎通を図り、絆を大切にし、様々なネットワークの構築や国際社会での日本の存在感を高めることを考えながら外交を進めてまいりました。

2014年は、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、世界の平和と繁栄のために積極的に貢献する日本の姿が着実に国際社会に認識され、このことが一つ一つの外交成果につながった年であったと考えています。

本年は戦後70年の節目の年です。平和国家としてのこれまでの日本の歩みを更に未来に進め、日米同盟の強化、近隣諸国との関係強化、経済外交の強化の三本柱を軸とした外交を全力で展開します。また、国連創設70年、被爆70年にも当たることから、国連との連携の一層の強化、「核のない世界」を目指した取組、気候変動、「女性が輝く社会」の実現、国際開発課題、新たな開発協力大綱の下でのODAの戦略的活用など、地球規模の課題への積極的な貢献を進める考えです。

平成27年版外交青書(外交青書2015)では、戦後70年の節目に刊行される青書として、第1章で戦後日本の平和国家としての歩みを振り返るとともに、2014年の国際情勢と日本外交についての概観を記述しました。第2章で地球儀を俯瞰する外交、第3章で国益と世界全体の利益を増進する外交について、それぞれ2014年の重要な出来事を、また、第3章では国際社会での存在感を一層高めるための戦略的な対外発信などへの取組についても記述しています。第4章の国民と共にある外交では、世界とのつながりを深める日本社会や日本人とそれを支援する外務省の取組、外交実施体制の強化などについて説明しています。また、読者の皆様の理解促進に資するよう、図表・地図などによる解説に意を用いるとともに、外交をより身近に感じていただけるよう、特定のテーマを取り上げて分かりやすく解説する「特集」や、外交の現場からの声を伝える「コラム」を掲載しています。

本年の初めには、シリアにおける邦人殺害テロ事件が発生しました。政府として、国内外の国民の皆様の安全確保に努めるとともに、国際社会におけるテロへの取組において責任を果たしてまいります。

日本と世界のつながりをより強く、より深く、より安全にしていくためには、国民の皆様の御理解と御協力が不可欠です。この外交青書が、国際情勢、日本の平和国家としての歩みや最新の日本外交の動きについて、皆様の理解を深める一助となるとともに、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」を具体的に実践する日本の姿を広く発信する一助となることを心から期待いたします。

外務大臣 岸田文雄
外務大臣
岸田文雄
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