軍縮・不拡散

国連軍備登録制度に関する政府専門家会合(2009年)の概要

平成21年7月

  1. 本年2月、4月及び7月、在ジュネーブ欧州国連本部及びニューヨーク国連本部において、国連軍備登録制度に関する政府専門家会合が開催された。
  2. 国連軍備登録制度は、1991年に我が国が当時のEC諸国と協力して国連総会に提出した「軍備の透明性」に関する決議に基づき設置された制度であり、各国は大規模侵攻用の攻撃兵器として位置付けられた7カテゴリー(注)の通常兵器につき、その前年の輸出入に関する情報を予め定められた用紙に記入し国連事務局に提出することとなっている。政府専門家会合は、国連軍備登録制度の運用状況や制度の強化・改善策を検討するために、1994年以降3年おきに開催されている。

    (注)報告対象となる7カテゴリーの兵器

    I. 戦車 II. 装甲戦闘車両 III. 大口径火砲システム IV. 戦闘用航空機
    V. 攻撃ヘリコプター VI. 軍用艦艇 VII. ミサイル及びミサイル発射装置

  3. 本年の政府専門家会合の参加国は、アルゼンチン(議長)、ブラジル、中国、仏、インド、イラン、イスラエル、ジャマイカ、日本、オランダ、ナイジェリア、パキスタン、韓国、ロシア、南アフリカ、スイス、英国、米国の18か国で、我が国からは柳井通常兵器室上席専門官及び安仁屋同課長補佐が出席した。
  4. 本年の政府専門家会合では、既存の7カテゴリーに加えて小型武器を新たなカテゴリーとして報告を求める提案を始め、登録制度の強化・改善策を中心に議論が行われたが、合意に至らなかった。実質的内容は合意が達成されなかったが、小型武器の報告に係るキャパシティーの向上について支援を継続すること及び小型武器を新たなカテゴリーとしないことについての各国の見解を求めること等が「勧告」としてまとめられ、「報告書」に記載された。政府専門家会合が取りまとめた報告書は、国連事務総長から全加盟国に配布され、本年の国連総会決議を通じてその勧告が実施されることになる。
  5. 我が国は今次会合において、登録制度が透明性の向上と信頼醸成措置の促進に資するものとなるよう、積極的に議論に参加するとともに、小型武器の新カテゴリー化を含む強化・改善策について消極的な国々への働きかけに努めた。
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