平成19年11月28日
対人地雷禁止条約(オタワ条約)第8回締約国会議が、11月18~22日、ヨルダンの死海において開催されたところ、概要と評価は以下のとおりです。
(1)参加国等
94か国(11月22日現在の全締約国は156ヵ国)及び15の国際機関のほか、ICBL(地雷廃絶国際キャンペーン)等のNGOも9団体参加した。また、非締約国のうち、中国、エジプト、印、パキスタン等20ヵ国がオブザーバー参加した。
(2)主要な議題
(イ)条約の実施状況の確認:「ナイロビ行動計画」及び「ジュネーブ進捗報告」に基づき、過去一年における条約の実施状況の進捗、及び来年の締約国会議に向けて取り組むべき優先課題の特定。
(ロ)第5条(埋設地雷の10年以内の廃棄)の実施に関する議論:廃棄完了期限の延長要請に関する共通理解の形成(オタワ条約は1999年に発効したため、2009年に最初の延長要請が行われる見込み。)。
(参考)
2004年のオタワ条約第1回検討会議において採択された文書。2009年(次回検討会議の開催予定年)に向けて、条約の普遍化、貯蔵地雷廃棄、埋設地雷除去、犠牲者支援等の各分野について、締約国が取るべき行動の指針を示す。
昨年の第7回検討会議における議論の結果発表された文書。「ナイロビ行動計画」の進捗状況及び本年の第8回締約国会議までの1年間の優先課題を取り纏めた。
(3)成果文書等
締約国会議における議論の結果、「ナイロビ行動計画」採択後3年目の実施状況及び「ジュネーブ進捗報告」発表後1年間の取組を概観し、今後1年間の優先課題を取り纏めた「死海進捗報告書」が発表された。
(4)我が国の対応
(イ)2004年の第1回検討会議の際に表明した我が国の新地雷政策の進捗状況として、前第7回締約国会議以降の我が国の地雷対策支援の概況とともに、具体的政策実施例として、アンゴラでの国家地雷除去院能力向上計画、ボスニアでの地雷原を所得創出活動目的の土地へ返還する除去活動を含む事業及びアフガニスタンでの2004年の実証試験後の機材供与の実績等について報告を行った。
(ロ)第5条(埋設地雷の10年以内の廃棄)の実施に関する議論において、第5条の履行期限の遵守への努力にむけた被害国の努力に支援を行ってきている旨紹介した。
(1)我が国の新地雷政策に基づく具体的行動のアピール
2004年の検討会議において表明した我が国の新地雷政策の実施状況として、特に昨年の第7回締約国会議以降実施した支援の概観(28件のプロジェクトへ総額約1700万ドル相当の支援)及び技術開発分野における我が国の最近の取組及び、我が国の支援が具体的効果を上げた例につき報告したほか、未締結国への条約加入の働きかけについて報告したことにより、対人地雷問題の解決に向けた我が国の継続的な取組及び具体的な行動についてアピールすることができた。
(2)我が国の条約の一般状況常設委員共同ラポルトゥール(副議長職)就任
条約の普遍化を中心に討議する条約の一般状況常設委員会の共同ラポルトゥールに立候補し、本件会議で就任が採択された。今後、本件委員会共同議長のドイツとケニア及び、もう1か国のラポルトゥールのチリとともに条約の関連会議の運営面においても尽力していく旨発表した。
(3)第5条の延長要請手続きに関する決定
オタワ条約第5条の完了期限延長手続きに関し、加作成の延長要請の共通フォーマットが採択された。
6月2~6日:常設委員会(於:ジュネーブ)
11月24~28日:第9回締約国会議(於:ジュネーブ)