平成18年10月10日
対人地雷禁止条約(オタワ条約)第7回締約国会議が、9月18~22日、ジュネーブにおいて開催されたところ、概要と評価は以下のとおり。
(1) 参加国等
97ヵ国(9月18日現在の全締約国は151ヵ国)及び14の国際機関のほか、ICBL(地雷廃絶国際キャンペーン)等のNGOも7団体参加した。また、非締約国のうち、中国、エジプト、印、パキスタン等26ヵ国がオブザーバー参加した。
(2) 主要な議題
(イ) 条約の実施状況の確認:「ナイロビ行動計画」及び「ザグレブ進捗報告」に基づき、過去一年における条約の実施状況の進捗、及び来年の締約国会議に向けて取り組むべき優先課題の特定。
(ロ) 第5条(埋設地雷の10年以内の廃棄)の実施に関する議論:廃棄完了期限の延長要請に関する共通理解の形成(オタワ条約は1999年に発効したため、2009年に最初の延長要請が行われる見込み。)。
(参考)
2004年のオタワ条約第1回検討会議において採択された文書。2009年(次回検討会議の開催予定年)に向けて、条約の普遍化、貯蔵地雷廃棄、埋設地雷除去、犠牲者支援等の各分野について、締約国が取るべき行動の指針を示す。
昨年の第6回検討会議における議論の結果発表された文書。「ナイロビ行動計画」の進捗状況及び本年の第7回締約国会議までの1年間の優先課題を取り纏めた。
(3) 成果文書等
締約国会議における議論の結果、「ナイロビ行動計画」採択後2年目の実施状況及び「ザグレブ進捗報告」発表後1年間の取組を概観し、今後1年間の優先課題を取り纏めた「ジュネーブ進捗報告書」が今後発表される運びとなった。
(4) 我が国の対応
(イ) 本年我が国は、タンザニアと共に、2005~2006年の会期間活動の一環である貯蔵地雷廃棄(第4条に4年以内の廃棄につき規定)に関する常設委員会の共同議長を務めた。今次締約国会議では、第4条に関するセッションにおいて、美根軍縮代表部大使(代表団長)がリードスピーカーを務め、第4条の履行状況の概観、共同議長としての過去1年間の取り組み及び今後の貯蔵地雷廃棄に関する課題について発言を行った。
(ロ) 2004年の第1回検討会議の際に表明した我が国の新地雷政策の進捗状況として、前第6回締約国会議以降の我が国の政策実施例、アジア・太平洋地域における我が国の条約普遍化の取り組みについて報告を行った。なお、議長より、会議の円滑な進行のため一般演説の書面での配布が慫慂されたこと、また、被害国からの義務履行に関する発表が会議全体を通して優先されていたことから、我が国の一般演説(英語版(PDF))については事務局を経由して参加国に対し書面で配布された。
(1) 対人地雷問題の解決に向けた我が国の積極姿勢及び具体的行動のアピール
2004年の検討会議において表明した我が国の新地雷政策の実施状況として、昨年の締約国会議以降実施した支援の概観(19件のプロジェクトへ総額約1200万ドル相当の支援)及び技術開発分野における我が国の最近の取組及び、我が国の支援が具体的効果を上げた例につき報告したほか、未締結国への条約加入の働きかけについて報告したことにより、対人地雷問題の解決に向けた我が国の積極姿勢及び具体的行動についてアピールすることができた。
(2) 貯蔵地雷廃棄常設委員会共同議長としての今後の検討課題の提示
本件テーマ別セッションでは、タンザニアとともにリードスピーカーを務め、第4条の義務履行状況の概観及び共同議長国としての過去1年間の取組についての総括を行った。また、本条項に関する今後の検討課題として、貯蔵地雷廃棄期限の延長を必要とする国への対応について、今後、なんらかの方策を講ずる必要がある旨問題提起した。
(3) 第5条の延長要請手続きに関する決定
オタワ条約第5条の完了期限延長手続きに関する議長ペーパー及び、グアテマラ及びICRC作成の義務完了宣言書が採択された。加作成の延長要請の共通フォーマットに関し、来年」の常設委員会において最終版に合意し、第8回締約国会議で正式に採択されることが決定した。
4月23~27日:常設委員会(於:ジュネーブ)
11月18~22日:第8回締約国会議(於:ヨルダン)