軍縮・不拡散

オタワ条約第6回締約国会議
(概要と評価)

平成17年12月12日

 対人地雷禁止条約(オタワ条約)第6回締約国会議が、11月27日~12月2日、クロアチアの首都ザグレブで開催されたところ、概要と評価は以下のとおり。

1. 概要

(1) 参加国等

 95ヵ国(11月27日現在の全締約国は147ヵ国)及び21の国際機関のほか、ICBL(地雷廃絶国際キャンペーン)等のNGOも10団体参加した。また、非締約国のうち、中国、エジプト、フィンランド、印、インドネシア等21ヵ国がオブザーバー参加した。

(2) 主要な議題

 「ナイロビ行動計画」(注)の過去一年における実施状況の確認、及び、来年の締約国会議に向けて取り組むべき優先課題の特定。

(注)「ナイロビ行動計画」

 昨年のオタワ条約第1回検討会議において採択された文書。2009年(次回検討会議の開催予定年)に向けて、条約の普遍化、貯蔵地雷廃棄、埋設地雷除去、犠牲者支援等の各分野について、締約国が取るべき行動の指針を示す。

(3) 成果文書等

 締約国会議における議論の結果、「ナイロビ行動計画」の実施状況及び今後1年間の優先課題を取り纏めた「ザグレブ進捗報告書」、及び、対人地雷廃絶という目標への政治的コミットメントを再確認した「ザグレブ宣言」の2つの文書が採択された。

 「ザグレブ進捗報告書」の主要な点は以下のとおり。

(4) 我が国の対応

 我が国からは美根軍縮代表部大使が代表団長として出席し、昨年表明した新地雷政策(注)の進捗状況やアジア・太平洋地域における我が国の条約普遍化への取り組みについて報告を行ったほか、会議場外においては、地雷被害国、国際機関、NGO等の関係者と積極的な意見交換を行った。

 また、我が国は、タンザニアと共に、来年の貯蔵地雷廃棄常設委員会の共同議長を務めることが決定された。

(注)新地雷政策

 アジア・中東・アフリカ地域に力点を置きつつ、1)平和の構築への貢献、2)人間の安全保障の視点の重視、3)産官学民の連携強化、の3原則に従って、従来同様の規模で地雷対策支援を行っていくというもの。

2. 評価

(1) 対人地雷問題の解決に向けた我が国の積極姿勢及び具体的行動のアピール

 昨年12月の検討会議において新地雷政策を表明して以降実施した支援(12ヵ国における34件のプロジェクトへの支援)を報告したほか、締約国会議に向けて行った未締結国への条約加入の働きかけについて報告したことにより、対人地雷問題の解決に向けた我が国の積極姿勢及び具体的行動についてアピールすることができた。

(2) 対人地雷関係者との率直な意見交換

 地雷被害国、国際機関、NGO等の関係者と、地雷政策の実施や地雷被害国における支援ニーズ等について率直な意見交換を行うことにより、問題意識の共有を図ると共に、現場の視点からも有用な助言を得られた。v

(3) 対人地雷問題解決に向けた優先課題の特定

 昨年の検討会議においてコンセンサスで採択された「ナイロビ行動計画」の進捗状況を把握し、今後1年間の具体的な優先課題を特定したことによって、2009年に向けた同「行動計画」の着実な実施が期待される。

3. 2006年の会合日程

5月8~12日 :常設委員会(於:ジュネーブ)
9月18~22日:第7回締約国会議(於:ジュネーブ)

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