2006年7月10日
6月19日~23日、ジュネーヴにおいて、特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW)の第14回政府専門家会合が開催された。我が国は美根軍縮代表部大使が代表団長を務め、外務省及び防衛庁から担当者が参加した。
現在、CCWの枠組みでは、「対戦車地雷(MOTAPM)」、「爆発性戦争残存物(ERW)・クラスター弾の規制」、「遵守メカニズム(Compliance)の導入」の大きく3つの議題について検討が行われている。
(1)対戦車地雷
(イ)対戦車地雷の規制に関しては、調整役(ブラジル)の下、2005年11月の締約国会議で採択された本年のマンデートに基づいた議論が行われた。我が国を含む多くの国が、前調整役(フィンランド)のペーパーを支持したものの、一部の国が国防上の理由と技術的・経済的理由から、「探知可能性(detectability)」及び「作動期間(active life)」の規制に引き続き困難を訴え、同ペーパーに反対の立場を示した。
(ロ)調整役は、前調整役ペーパーに困難を示している一部の国と協議を行い、事態の打開に努めたものの、特に進展は見られなかった。
(ハ)今後の専門家会合においては、各国の立場の相違を埋めるため、「探知可能性」及び「作動期間」の規制を中心に引き続き議論が行われる予定。
【参考】 対戦車地雷作業部会における2006年のマンデート
2005年11月の締約国会議では、2006年のマンデートとして以下の点が採択され、本年の政府専門家会合において議論が行われる。
(2)爆発性戦争残存物(ERW)
(イ)ERWの問題に関しては、調整役(リトアニア)の下、昨年11月の締約国会議で採択された作業マンデートに従い、「既存の国際人道法の原則の履行」と「子弾を含む特定の弾薬の設計改良を目指した予防措置」について引き続き議論が行われた。
(ロ)子弾を含む弾薬の使用の際に適用される国際人道法に関し、これまでに30ヵ国以上が質問票への回答を行っているが、今次会合においては右回答の分析報告書(マコーマック報告書)を基に議論が行われた。マコーマック報告書は、既存の国際人道法の諸原則は、効果的に履行されるならば、ERWに関する問題に対応する上で十分具体的かつ包括的であると結論づけた上で、政府専門家会合として検討すべき措置を示している。
(ハ)今後も、(ロ)のマコーマック報告書に基づいて議論が継続される。
【参考】 ERW作業部会に関する2006年のマンデート
2005年11月の締約国会議では、2006年のマンデートとして以下の点が採択され、本年の政府専門家会合において議論が行われる。
(3) 遵守メカニズム(Compliance)
CCWの枠組みにおいては一部の付属議定書を除いて遵守メカニズムが存在しておらず、条約全体に適用される遵守メカニズムの導入の必要性が認識されている。今次会合においては、これまでの諸提案を踏まえ、遵守メカニズムの内容及び導入の方法について具体的な議論が行われた。今後、本年末に開催予定の第3回運用検討会議に向けて具体的な成果を達成することを目指しつつ、議論が進められる予定。
【参考】
今次会合に参加した国及び国際機関等の数は以下のとおり。
今次関連会合 | 締約国 及び署名国 |
オブザーバー 参加国 |
国際機関 | NGO |
---|---|---|---|---|
第14回政府専門家会合 | 65 | 9 | 4 | 10 |
本年度は、以下の会合がジュネーヴで開催される予定。