平成20年11月17日
11月3日~14日、ジュネーブにて、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みにおいて、クラスター弾に関する第5回政府専門家会合及び締約国会議が開催されたところ以下のとおり。我が国からは、樽井軍縮代表部大使(団長)、平野外務省通常兵器室長、倉内防衛省国際政策課長のほか、外務省及び防衛省の担当者が出席した。
(1)政府専門家会合
(イ)2007年11月のCCW締約国会議において、人道上と安全保障上の考慮のバランスをとりつつ、クラスター弾の人道上の懸念に早急に対処するための交渉を行うことが決定されたことを受けて、本年1月からこれまでに4回の政府専門家会合が重ねられてきた。3日から12日にかけて行われた政府専門家会合は、新たな議定書案を11月13日及び14日のCCW締約国会議において採択することを目指して開催された本年最後の会合であった。
(ロ)議長(ヴィゴツキ・在キプロス・デンマーク大使)から事前に提示された文書案に基づき、新たな議定書の中核的な要素となるクラスター弾の禁止及び規制に係る規定を中心に真剣な議論が展開されたが、各国の立場の違いは大きく、当初予定されていた最終日の7日には議論がまとまらず、会合は12日まで延長されたが、延長後も大きな進展はなく、文書案について最終的な合意を得ることはできなかった。
(2)締約国会議
一方、13日から14日にかけて開催されたCCW締約国会議においては、明年も引き続き、クラスター弾に関する交渉を継続すること、そのために明年2月16日から20日、更に必要であれば、4月14日から17日に専門家会合を開催することが決定された。
(1)我が国は、クラスター弾の主要な生産国・保有国が参加するCCWの枠組みにおいて、クラスター弾がもたらす人道上の懸念に効果的に対処するための議定書が作成されることを重視している。従って、これまでの政府専門家会合において、国際人道法の適用に係る条文の議長フレンドを務めることを含め、積極的な貢献を行ってきたところであり、今次会合で合意が得られなかったことは残念なもの。
(2)他方、我が国として、CCWの枠組みを重視する立場には変りはなく、本年の一連の政府専門家会合を通じて形成された交渉の土台を活かしつつ、明年行われる交渉を通じ、早期に実効性のある新たな議定書が作成されるよう、引き続き積極的な貢献を行っていく考えである。