平成20年4月11日
4月7日~11日、ジュネーブにおいて、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みにおいて、クラスター弾に関する第2回政府専門家会合が開催されたところ、概要及び評価は以下のとおり。我が国からは、樽井軍縮代表部大使が団長を務め、外務省より平野通常兵器室長ほかが、防衛省より土本国際政策課長ほかが参加した。
(1)デンマークが議長を務め、国際人道法の関連原則の遵守、クラスター弾の技術的側面、特に人道上の懸念をもたらす可能性があるクラスター弾の種類、定義、貯蔵弾の管理、移譲、犠牲者支援、国際協力等につき議論が行われた。
(2)我が国は、議長の要請を受け、国際人道法の関連原則の遵守に関する作業部会の調整役を務め、非公式会合を開催し、クラスター弾の使用に特に関連する既存の国際人道法の原則を明らかにする作業を行い、文書にまとめるとともに、国際人道法の遵守を強化するために各国が自発的に実施するためのガイドライン(ベスト・プラクティス)の素案を作成した。これらの文書は、我が国より議長に提出され、第2回政府専門家会合の報告書に含まれることとなった。
(3)オーストリアが犠牲者支援に関する調整役を務め、クラスター弾に関する新たな文書に犠牲者支援を含めるべきこと等が確認された。また、豪が国際協力に関する調整役を務め、人道上の懸念に対処する上で国際協力が重要な役割を果たすこと等が確認された。
(4)クラスター弾の技術的側面及び特に人道上の懸念をもたらす可能性があるクラスター弾の種類については、様々な立場が表明され、7月に開催される第3回政府専門家会合で議論を継続し、その上で定義の問題についても議論を継続することとなった。
(1)クラスター弾の人道上の懸念に実効的に対処するためには包括的なアプローチが必要。国際人道法の関連原則の適用に係る規定は、新たな議定書の重要な要素となる。
(2)自己破壊機能、自己無力化機能若しくは自己不活性化機能が付与されたクラスター弾、誘導装置が付与されるなど正確性の高いクラスター弾、又は子弾数が一定数以下のクラスター弾は、信頼性又は正確性の高いクラスター弾であり、人道上の懸念に対処可能。信頼性及び正確性の低いクラスター弾については、開発、生産、取得及び移譲を即時禁止すべきであり、使用については、一定の移行期間の間に真に必要な場合に限り認めるべき。
(1)クラスター弾の使用に特に関連する既存の国際人道法の原則を明らかにする作業が行われ、成果文書が作成されたことは、CCWの枠組みにおける交渉が実質的に進展したことを示すもの。我が国も調整役として具体的な貢献を行い、各国から高い評価を得た。
(2)第2回政府専門家会合の成果を踏まえ、7月の第3回政府専門家会合までに、議長がクラスター弾の人道上の懸念に対処するための提案に関する議長案を作成し、各国に提示することが明らかにされた。今後、CCWの枠組みにおける交渉が一層加速化することが期待される。