軍縮・不拡散

特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW)
政府専門家会合(クラスター弾)
【概要と評価】

平成19年6月26日

 6月19~22日、ジュネーヴにおいて、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)政府専門家会合(議長:カークリンス・ラトビア大使)が開催されたところ、概要は以下のとおり。

1.参加国・団体

 米、中、露、パキスタン、イスラエルを含む締約国65カ国、オブザーバー国等10カ国のほか、6の国際機関及び10のNGOが参加。我が国からは軍縮代表部樽井大使が代表団長を務めた他、外務省新保軍科部審議官、防衛省廣瀬国際企画課長他が東京から参加した。

2.議論の概要

(1)クラスター弾の人道上の懸念に対処するため、軍事上の有用性、人道上の影響、技術面、法的側面、弾薬の定義等、様々な側面について活発な議論が行われた。

(2)特に今次会合においては、CCWの枠組みにおける国際約束の交渉開始について、11月の締約国会議にどのような勧告を行うかが焦点となった。EUが、法的拘束力のある国際約束を2008年末までに交渉すべしとの勧告案を提示し、我が国、米国等もCCWの枠組みにおける交渉を支持したのに対し、露、中、パキスタン、韓、ブラジルは、締約国会議の決定を予断することや、交渉に期限を設けることに慎重な態度を示した。

(3)議長による種々の調整の結果、締約国会議に対し、軍事面及び人道面のバランスを考慮しつつ、新たな文書の可能性を含め、緊急の問題としてクラスター弾の人道上の影響に対処する最善の方法を決定することを勧告することについて、コンセンサスが得られた。

3.我が国の発言要旨

(1)我が国としては、以下の認識の下、今次政府専門家会合が、11月の締約国会議に対して交渉開始を勧告することを支持する。

1)クラスター弾は我が国への武力攻撃への対処時にのみ、使用するものと認識しているが、一方、クラスター弾の人道上の懸念に対処していく必要性を各国と共有。

2)クラスター弾の人道上の懸念に実効的に対処するためには、主要な生産国及び保有国の参加が不可欠であり、これらの国の参加が得られる枠組みとしてCCWが最も適切な枠組み。我が国としては、CCWの枠組みにおいて、人道面と安全保障面のバランスがとれた国際約束を作成すべきと考える。

(2)全面禁止や即時禁止は主要な生産国及び保有国の支持を得ることが困難となり、実効的な対応とはならない。これらの国の参加を確保するため、様々な技術的措置について考慮すべき。また、適当な移行期間を設けることが不可欠。

4.今次会合の評価

(1)今次会合において、クラスター弾の人道上の懸念に対処するため、人道面と安全保障面のバランスのとれた議論が活発に行われ、非常に有意義であった。

(2)特に、コンセンサスで、11月の締約国会議に対し、新たな文書の可能性を含めた決定を行うよう勧告ができたことは、CCWの枠組みでの交渉開始を支持する立場の我が国としても評価している。

5.今後の予定

 締約国会議:11月7~13日(於:ジュネーヴ)

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