軍縮・不拡散

特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)
2012年締約国会議
(概要と評価)

平成24年11月

1.概要

(1)11月12日から16日まで,ジュネーブにて,特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)締約国会議(注)が開催された。
 我が国からは,山本軍縮代表部臨時代理大使を団長として,外務省・防衛省関係者が出席した。

 (注)締約国会議は毎年一回開催され,条約の運用,翌年の専門家会合の設置及び権限等につき検討を行う。

(2)今次会議においては,履行支援ユニット(ISU)が作成した4種類の報告書((A)対車両地雷,(B)条約の普遍化促進,(C)スポンサーシップ・プログラム,(D)履行支援ユニット)が提出され,これに基づいて議論が行われた。

(3)主要な論点の一つとして,2012年4月に開催された対車両地雷(MOTAPM)に関する専門家会合の議論を継続するために,2013年にも専門家会合を開催することについて検討することであったが,議論の結果,開催のための合意が得られず,2013年の対車両地雷に関する専門家会合の設置は見送られた。

(4)他方,地雷・ブービートラップ及び他の類似の装置を規制する改正議定書IIの枠組では,即席爆破装置(IED:improvised explosive devices)に関する議論が行われ,2012年に引き続き,2013年4月に,IED等について議論する専門家会合を開催することが決定された。IEDは,非国家主体の使用による被害の増加や,材料が入手し易いことが問題となっており,情報共有を継続する必要性について締約国の意見が一致した。

2.評価

  1. (1)MOTAPMに関しては,CCWの枠組みで,2002年から2006年の間の5年間,実質的な規制の策定に向けた議論が行われていたが,推進国と慎重国との間に大きな立場の相違があり,合意に至らなかった。2012年4月の専門家会合では,5年が経過してもMOTAPM規制の推進国と慎重国の立場に変化が無いことが明らかとなり,こうした状況を反映して,今回の締約国会議では,2013年に議論を継続するための専門家会合を開催することについて合意が得られなかった。
  2. (2)IEDに関しては,政府による使用ではなく,非国家主体の使用が問題となっているため,国家を対象とした法的規制を直ちに作成するという方法よりも,IEDの材料の輸出入に関する既存のガイドラインや各国の取り組みのベスト・プラクティスに関する実用的な情報交換の重要性が認識され,我が国としても今後の議論に積極的に参画していく考えである。
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