平成19年11月19日
11月5~13日、ジュネーブにおいて、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)締約国会議等(5日はCCW第5議定書締約国会議、6日はCCW改正第2議定書年次会合、7~13日はCCW締約国会議)が開催されたところ、議論の概要は以下のとおり。
(ポイント)
CCWの枠組みでクラスター弾の人道上の懸念に早急に対応するための交渉を行う政府専門家会合を設立することをコンセンサスで決定。
米、中、露、パキスタン、イスラエルを含む締約国78か国、オブザーバー国等30か国のほか、7の国際機関及び8のNGOが参加。我が国からは軍縮代表部樽井大使が代表団長を務め、外務省新保軍縮不拡散・科学部審議官、平野通常兵器室長、防衛省廣瀬国際政策課長他が東京から参加した。
(1)2008年にCCWの枠組みでクラスター弾の問題を如何に扱うかが焦点となった。
(2)EUが「法的拘束力のある国際約束を2008年末まで交渉するため少なくとも3回会合を持つ政府専門家会合を設立すべし」との決定案を提示し、我が国、米国等もCCWの枠組みにおける交渉を支持したのに対し、露、中、パキスタン等は、政府専門家会合の作業の成果を予断することや、交渉に期限を設けることに慎重な態度を示した。
(3)種々の調整の結果、最終日の13日、「CCW締約国会議は、政府専門家会合(GGE)が、軍事的及び人道的考慮のバランスをとりつつ、クラスター弾の人道的影響に早急に対処するための提案(proposal)につき交渉することを決定した。GGEは可能な限り速やかにこの提案を交渉するよう尽力し、進捗について2008年11月の次期締約国会合において報告すべきである。」との決定について、コンセンサスが得られた。
(1)我が国からは、基本的な立場として、会議冒頭に以下の認識に基づきCCWの枠組みでの交渉を支持する旨発言。
(イ)クラスター弾の人道上の懸念に対処するためには、主要な生産国及び保有国が参加するCCWが最も効果的な枠組み。
(ロ)CCWの枠組みで人道面と安全保障面のバランスのとれた国際約束を作成すべき。
(2)最終日、交渉について決定が採択されたことを受け、以下の立場を表明。
(イ)各国が立場の相違を乗り越えて柔軟性を発揮し、交渉へのコンセンサスを達成したことを高く評価。
(ロ)CCWは、引き続き、クラスター弾の人道的懸念に対応するための国際約束に向けて、GGEで交渉を行い、具体的な成果を遅滞なくもたらすことが必要。
(1)CCWの枠組みで、政府専門家会合においてクラスター弾の人道上の懸念に早急に対応するための交渉を行うことがコンセンサスで決定された。主要な生産国及び保有国の参加が得られるCCWの枠組みでの交渉を支持してきた我が国としても高く評価。
(2)今後、このCCW政府専門家会合において、人道面と安全保障面のバランスを考慮しつつ、クラスター弾の人道上の懸念に実効的に対処するための国際約束案を早急に作成することを目指していく。
遵守メカニズム、普遍化行動計画、スポンサーシップ・プログラム、対戦車地雷についても議論が行われた。
2008年には、以下の会合がジュネーブで開催される予定。