
武器貿易条約(ATT)に関する政府専門家会合(GGE)
平成20年8月
- 本年、ニューヨーク国連本部において3回(2月、5月、7月~8月)のGGEが開催され、我が国を含む28か国(注)の専門家が参加し、「通常兵器の輸入、輸出及び移譲に関する国際基準を確立する法的拘束力を有する文書の実現可能性、対象範囲及び構成要素」についての検討を行った。
- 第3回(最終回)GGE(7月28日~8月8日)は、これまでの議論の概要を反映させた簡潔な報告書をとりまとめ、国連事務総長に提出した。GGEの各専門家は、それぞれの国の異なる立場を踏まえつつも、「通常兵器の移譲問題の複雑さに鑑み、この問題について更に検討する必要がある」と結論し、その検討は、「国連の枠組みで、段階的に、開かれた透明性のある方法で、進められるべき」とした。
- 各専門家は、非合法に取引きされた武器がテロ行為や組織犯罪等に使用される可能性、武器が合法市場から非合法市場に逸脱することを防ぐ必要性、各国における武器の国内管理体制の強化の必要性等を強調した。
- 我が国は、兵器の輸出に自発的に厳しい基準を適用してきたとの基本的な立場を踏まえ、GGEにおける議論がATTの実現に向けた今後のプロセスに繋がるよう、積極的に議論に参加した。また、最終会合において、ATTに含めるべき要素を書面で提出し、報告書作成の過程に有用なベースを提供した。更に、会合のマージン等において、ATTに関心を有する有識者やNGO関係者とも意見交換を行った。
- 今後は、GGE報告書の採択を受けて、ATTに関わる議論の機運を高め、次のステップを具体化させる方法について検討していく必要がある。
(注)アルゼンチン、アルジェリア、オーストラリア、ブラジル、中国、コロンビア、コスタリカ、キューバ、エジプト、フィンランド、仏、独、インド、インドネシア、イタリア、我が国、ケニア、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、スペイン、スイス、ウクライナ、英国、米国。