北極・南極

令和2年11月27日

 11月17~19日、北極評議会(AC)高級実務者(SAO)会合が議長国アイスランドの主催によりオンラインで開催され、オブザーバーである我が国からは、三好真理北極担当大使(当時)らが参加しました。

1 全体の会合

 今回の高級実務者会合は、アイスランドがAC議長国を引き継いで2回目となるSAO会合であり、コロナ禍の影響で、本年3月から延期されていたものです。グンナルソン議長が進行役を務める中、以下の議題(1)~(15)について議論されました。

【1日目】
  • (1)議長開会挨拶及び議題案承認
  • (2)AC事務局からの報告
  • (3)広報及びアウトリーチ戦略に関する報告
  • (4)海洋専門家会合(SAO Marine Mechanism)(結果報告)
  • (5)ACにおける若手人材の関与促進に関する議論
  • (6)気候及びグリーン・エネルギーに関する包括的討論
【2日目】
  • (7)第12回AC閣僚会合に向けた情報共有
  • (8)プロジェクトの資金援助に関する議論
【3日目】
  • (9)北極レジリエンス・フォーラム2020(開催告知)
  • (10)ACと北極経済評議会(AEC)との協力に関する報告
  • (11)AC・AEC連携に係る調整の現状報告
  • (12)北極空間データ・インフラ(SDI)に関する報告及び議論
  • (13)持続的北極観測ネットワーク(SAON)北極観測・データシステム構築に向けたロードマップに関する現状報告
  • (14)第12回AC閣僚会合及びAC設立25周年に向けた準備状況
  • (15)次期AC議長国ロシアによる報告

2 各作業部会の活動報告

 議題(7)の下、北極評議会で実施中の科学協力、環境保護、教育等の活動について、6つの作業部会及び1つの専門家会合(注)から報告がなされ、意見交換が行われました。
 (注):下部組織は以下の通り。

  • (1)北極圏汚染対策プログラム作業部会(ACAP: Arctic Contaminants Action Program
  • (2)北極圏監視・評価プログラム作業部会(AMAP: Arctic Monitoring and Assessment Program
  • (3)北極圏動植物相保全作業部会(CAFF: Conservation of Arctic Flora and Fauna
  • (4)緊急事態回避,準備及び対応作業部会(EPPR: Emergency Prevention, Preparedness and Response
  • (5)北極圏海洋環境保護作業部会(PAME: Protection of the Arctic Marine Environment
  • (6)持続可能な開発作業部会(SDWG: Sustainable Development Working Group
  • (7)ブラックカーボン及びメタン専門家会合(EGBCM: Expert Group on Black Carbon and Methane

3 ACSAO会合議長主催のオブザーバー代表との意見交換会

  • (1)グンナルソン議長から、2021年5月のAC閣僚会合で、資格延長に係る審査対象となる(日本を含む)19のオブザーバーに対して、過去2年間におけるACでの貢献実績に係る報告書を提出するよう要請がありました。
  • (2)三好大使は、2日目の会合前に開催されたグンナルソン議長とオブザーバー代表との意見交換会に参加し、ア 科学調査研究、イ 持続可能な経済利用、ウ 「法の支配」の構築と強化を重視する我が国の北極への関与についての基本的な考え方やこれまでの国際協力の実績につき、北極域研究推進プロジェクト(ArCS)及びその後継である北極域研究加速プロジェクト(ArCSII)による活動、北極域データアーカイブシステムの事例を通じて紹介しました。

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