平和構築

令和5年7月11日

 6月19日から30日までの間、外務省は国連平和活動局訓練統合課(UN Department of Peace Operations, Integrated Training Service:ITS)と国連シニア・ミッション・リーダーズコース(UN Senior Mission Leaders’ course(SML))を東京・汐留にて共催しました。(本コースの運営管理は広島平和構築人材育成センター(HPC)に委託して実施しました。)

1 背景

 本研修コースは、国連が開催国の支援を得て、国連平和活動ミッション(国連平和維持活動(PKO)及び特別政治ミッション(SPM))の将来の幹部候補を対象に、ミッションの運用や指揮に関わる研修を行うもので、国連ミッションの幹部ポスト(国連事務総長特別代表(SRSG)、副代表(DSRSG)、軍司令官、警察コミッショナー、官房長など)を目指す方にとっての登竜門の一つとして位置づけられています。

2 概要

(1)参加者及び講師陣

 本研修コースには、我が国からの参加者5名を含む18か国から、国連平和活動ミッションの幹部候補となり得る軍人、警察官及び文民26名(軍人であれば少将・准将級、警察官であれば部長・副局長級、文民であれば大使級や国連ランクのDレベル以上に相当する者)が参加しました。

 同コースにおいて指導的役割を務めるメンター及びスピーカーの講師陣は、主にアフリカの国連PKOミッションの幹部ポスト(SRSG、軍司令官及び警察長官等)での経験を有するか、国連本部でミッションの運営・指揮を担う部署の幹部を務めるなど、平和構築・平和維持活動における経験が豊富な専門性の高い講師によって構成されました。

(2)講義概要

 本研修コースでは、国連が過去の経験や知見を踏まえ作成したカリキュラムに基づき、ケーススタディやロールプレイ演習を通して、参加者が、文民保護、人道支援、戦略的コミュニケーション等のミッション運営に係るリーダーシップのあり方等についてお互いの経験を踏まえて議論しました。また、国連平和ミッションが多様な機能を担い実行することが求められている現状に鑑み、今後を見据えたデータ・デジタル分野での機能強化や、文民、軍、警察間の統合的アプローチを意識した企画・立案の演習も実施されました。

(3)その他の行事

 SMLコースの東京開催に合わせ、市川恵一総合外交政策局長主催による歓迎レセプション、防衛省統合幕僚監部大和総括官主催によるレセプション、山田賢司外務副大臣主催の送別夕食会などを開催し、参加者を歓迎するとともに、本邦の平和構築関係者とも意見交換を行いました。

3 評価

集合写真(UN Senior Mission Leaders’ course 東京 6月19日から30日):UN Department of Peace Operations, Integrated Training Service、外務省、HPC

 国連SMLコースを共催することを通じ、PKOやSPMなどの国連ミッションの現状や課題について改めて認識を深めるとともに、ミッションの将来の幹部候補を含めた国連の平和構築関係者との関係を強化できたことは有意義でした。我が国として、今後とも国連の平和活動を支援するとともに、国際機関における邦人職員の増加に向けて必要な支援を継続していきます。

椅子に座る参加者たち
意見交換の様子

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