マルタ共和国
安倍総理大臣によるマルタの旧日本海軍戦没者墓地における慰霊
平成29年5月27日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
マルタを訪問中の安倍晋三総理大臣は,現地時間5月27日,旧日本海軍戦没者墓地において慰霊を行いました。その後,日マルタ首脳会談に続いて行われた日マルタ首脳共同記者発表において,本件慰霊に関して,安倍総理は以下のメッセージを述べました。
「ムスカット首相との会談に先立ち、旧日本海軍戦没者墓地を訪問しました。そこで日本海軍が、1917年に日英同盟の下、マルタを拠点に地中海で活動した際の、71名の戦没者の方を慰霊いたしました。同墓地には1921年に当時皇太子だった昭和天皇も訪れ、戦没者を慰霊されています。100年前の地中海において、私たちの先人は、病院船を守り、沈没寸前の客船から多くの看護師を助けるなどして、大いなる尊敬を、英国を始めとする各国から勝ち得ました。私は、当時の先人の活躍に思いを馳せつつ、現代において、国際協調主義に基づく積極的平和主義の下、国際社会の平和と安定に一層貢献していく、その決意を新たにしました。」
【参考】旧日本海軍戦没者墓地
(1)第一次世界大戦中、英国の統治下にあったマルタは、地中海における補給線を護る連合国海軍の基地となった。当時、日英同盟の下,日本にも英側から協力が要請され、1917年2月、日本海軍艦隊が地中海に派遣された。基地をマルタに置き,連合国軍輸送船団の保護の任に当たった彼らの活躍はめざましく、各国から高い評価を受け、「地中海の守り神」とさえ言われた。
(2)1917年6月11日、クレタ島付近で作戦中の駆逐艦「榊(さかき)」は、潜水艦の攻撃を受けて大破し、艦長の上原中佐以下59名が戦死。戦病死者12名を加えた71名をまつる慰霊碑がカルカーラの英連邦軍墓地に建てられている。1921年には、当時皇太子だった昭和天皇が参拝に訪れている。