イタリア共和国

平成27年4月15日
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 4月14日(火曜日),G7外相会議出席のためリューベックを訪問中の岸田文雄外務大臣は,現地時間16時45分頃(日本時間14日(火曜日)23時45分頃)から約35分間,パオロ・ジェンティローニ外務・国際協力大臣(Hon. Paolo GENTILONI, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で初めての外相会談を行いました。会談の概要は以下のとおりです。

1.二国間関係

  • (1)両大臣は,初めての外相会談の開催を歓迎しつつ,2016年の日伊国交150周年を念頭に緊密に協力していくこと,また,来月開幕するミラノ万博の成功に向けて協力を深めていくことを確認しました。
  • (2)岸田大臣から,日本の積極的平和主義及びその下での安保法制整備について説明したのに対し,ジェンティローニ大臣から,日本が国際社会における存在を高めることは,国際社会の平和と安定への貢献という共通の利益に資する旨の発言がありました。

2.経済

  • (1)岸田大臣から,日立によるフィンメカニカ社鉄道部門への大型投資に言及したのに対し,ジェンティローニ大臣からは日伊経済関係は更に発展の余地がある,また日伊双方向の投資の増大も重要である旨の発言がありました。
  • (2)岸田大臣から,日EU経済連携協定(EPA)の本年中の大筋合意及び戦略的パートナーシップ協定(SPA)の早期妥結に向けて交渉を加速化したい旨発言し,ジェンティローニ大臣からも早期締結を支持する旨の発言があり,引き続き協力していくことで意見の一致を見ました。
  • (3)岸田大臣から,福島県産食品等に対するEUの輸入規制の緩和・撤廃を要請しました。

3.グローバルな課題

(1)テロ対策

 岸田大臣から,イタリアは特にリビアの安定や水際対策を重視していると承知しており,国際テロ対策の観点から旅客情報(PNR)の活用を含めて協力していきたいと述べたのに対し,ジェンティローニ大臣から,情報及び両国の経験を共有することの重要性につき言及がありました。両大臣は,引き続きテロとの闘いにおいて協力していくことを確認しました。

(2)軍縮・不拡散

 岸田大臣から,NPT運用検討会議に向けた協力を要請したのに対し,ジェンティローニ大臣から,日本の取組を評価する,この後のG7外相会合でも議論したい旨の発言がありました。

4.地域情勢

(1)ウクライナ・ロシア

 ジェンティローニ大臣から,ミンスク合意履行の重要性,制裁と対話の双方を維持していくことの重要性につき発言があり,岸田大臣からは,制裁と対話に加え,ウクライナの改革努力を支援していくことの重要性に言及しました。

(2)東アジア

 両大臣は,東アジア情勢について意見交換しました。

5.その他

 両大臣は,来年は日本が,再来年はイタリアがG7の議長国であることも踏まえ,二国間関係をさらに強化していくことを確認しました。また,イタリア側からレンツィ首相の訪日の可能性につき言及があり,岸田大臣からは歓迎の意を表明しました。


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