フランス共和国

第2回日仏外務・防衛閣僚会合共同発表

平成27年3月13日

1 2015年3月13日,岸田文雄日本国外務大臣,中谷元日本国防衛大臣,ローラン・ファビウス・フランス共和国外務大臣,ジャン・イヴ・ルドリアン・フランス共和国国防大臣(以下「4大臣」という。)は,東京において,第2回の外務・防衛閣僚会合を行った。本会合は,両国の「特別なパートナーシップ」に基づいた安全保障・防衛分野の協力をより具体的に進展させる目的で開催された。

2 4大臣は,2015年始めにフランス及び日本を襲った卑劣なテロ行為を最も強い言葉で非難した上で,暴力的過激主義の予防,テロリストネットワークの形成,外国人テロ戦闘員の流出入,及びその資金源についての対策の実施等を通じたテロとの闘いに,共に取り組むことを再確認した。4大臣は,国家の脆弱性,未解決の紛争,及び開発の空白が,テロ及び他の組織犯罪現象がはびこる無秩序な領域を生むことに留意し,多元主義と人々の平和的共存を尊重し,貧困の撲滅,難民支援,地方ガバナンスを支援する地域開発,とりわけ治安部隊と司法のつながりを始めとする刑事的連携の強化等の社会経済的アプローチを発展させつつ,国際の平和と安全を確保するための断固たる行動を取ることが重要であることを強調した。4大臣は,この一環として,国境をまたいだ協力の重要性について強調した。また,4大臣は,テロ対策分野における法治国家の原則と手続の尊重を呼びかけた。

3 4大臣は,2015年が第二次世界大戦後70年に当たる中で,両国が国際連合憲章の原則及び国際法の尊重を重視している旨確認した。4大臣は,両国が,法の支配,民主主義及び人権の尊重といった人類共通の普遍的価値の促進のために果たしてきた役割を評価した。4大臣は,国際社会の責任あるプレーヤーとして,国際の平和と安定及び繁栄のために積極的に貢献していく決意を改めて確認した。

4 日本国の両大臣は,日本国が国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から,国際の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していく決意であることを表明するとともに,防衛装備移転に関する新たな原則及び2014年7月1日の閣議決定を含む安全保障法制の整備に関する日本の取組について説明した。フランス共和国の両大臣は,国際の平和と安定の促進においてより積極的な役割を果たすことを目指す日本の決意と取組を歓迎し,支持した。

5 また4大臣は,大規模自然災害やエボラ出血熱を含む感染症等のグローバルな脅威に対し,協力していくことの重要性を確認した。4大臣は,気候変動対策において国際社会全体が取組を強化する必要性を強調した。この観点から,2015年3月14日から18日に仙台で開催される第3回国連防災世界会議は,パリで行われる国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)に向けた重要なステップとなる。

6 4大臣は,現在の国際情勢に鑑み,国家は国際法にのっとった,対話と協議による紛争や対立の解決を追求する必要性を強調した。4大臣は,欧州とアジア太平洋における安全保障環境が密接に関係していることを確認した。4大臣は,ウクライナの主権及び領土の一体性が完全に尊重された形でウクライナ問題が解決されることが重要であることを確認し,同国の安定のために引き続き協力していくことで一致した。4大臣は,政治解決のみがシリア紛争及びイラクにおける危機に対して持続的な解決策をもたらし得る旨確認した。4大臣は,北朝鮮による核・弾道ミサイル計画の進展の継続への深い懸念を表明するとともに,拉致問題を含む人道上の懸念への早急な対処を求めた。4大臣は,北朝鮮に対し,六者会合の枠組みにおけるものを含め,北朝鮮の非核化に向けた,信用できる形での対話を再開すること,及び地域の平和と安定を持続的に維持するために非核化に向けた具体的措置を取ることを求めた。また,4大臣は,南シナ海における紛争の平和的かつ国際法に基づいた解決を重視する旨確認した。

7 日本国の両大臣は,フランスのアジア太平洋地域への積極的関与を歓迎した。4大臣は,南太平洋に駐留しているフランス共和国軍と日本国自衛隊の間で始められた協力,とりわけ多国間訓練「南十字星」(2014年8月-9月)への日本国自衛隊の初参加を歓迎した。4大臣は,アジア太平洋地域における人道支援・災害救援に関する分野での協力の取組を継続することで一致した。

8 4大臣は,アフリカにおける協力を強化する希望を表明した。4大臣は,アフリカ大陸の平和と安定の維持に向けたイニシアティブを始めとするアフリカ諸国,AU及びアフリカ地域機関の努力を,EUと協力して,共に後押しする決意を有する。サヘル・サハラ地域におけるテロとの闘い,紛争の予防並びに安全保障分野及び危機対応分野におけるアフリカの能力強化は,アフリカ各国の能力を支援する幅広い活動と安全保障に関する地域的な機構を前提とするという認識に基づき,4大臣は,サヘル・サハラ地域における国境の統合的管理の改善の必要性を再確認した。4大臣は,地域の中核となるセンターにより実施されている平和維持訓練活動を支援する共通の取組を確認した。EUの活動の枠組み(治安部門改革ミッション,危機を脱しつつある国家への支援)等によりニジェール及びマリに対し行われている支援も,同様に強化された協力に含まれる。4大臣は,ボコ・ハラムによる脅威に対するチャド,カメルーン,ニジェール,及びナイジェリアの軍による対応,並びに先般のAUによる多国籍軍のための作戦構想の承認を歓迎した。4大臣は,ボコ・ハラムの脅威に直面する国に対する国際社会による支援の重要性を確認し,日仏両国がこれまで行ってきたテロ対処能力向上支援を歓迎した。

9 4大臣は,防衛装備品協力及び輸出管理措置に関する2つの委員会から成る対話の枠組みにおける闊達かつ信頼に基づいた対話を歓迎し,引き続き,この枠組みにおいて相互理解を深めることを確認した。4大臣は,両国の防衛産業協力の基礎となる防衛装備品・技術移転協定の署名を歓迎した。本協定は,無人システム分野におけるものを始めとする具体的な協力プロジェクトを実施する場合に,適正な防衛装備移転を確保するものであり,重要なステップとなる。

10 4大臣は,フランス共和国軍と日本国自衛隊の後方支援,物品又は役務の提供に関する連携の促進に資する協定の締結を視野に入れた検討を開始する両国の意思を確認した。

11 4大臣は,国連海洋法条約を始めとする国際法に基づく公海における航行及び上空飛行の自由の維持の重要性を再確認した。4大臣は,ギニア湾の安全確保の重要性を再確認し,コートジボワールにおける国際海上安全保障機関の創設等を歓迎した。4大臣は,アフリカの角における海上安全を強化する重要性を確認した。4大臣は海賊対策の分野において,2015年5月末から,自衛官が第151連合任務部隊(CTF151)の司令官を務めることを歓迎した。4大臣は,2014年10月以降4回にわたってアデン湾において行われた,日本国自衛隊及びEUアタランタ海上部隊の共同訓練についても歓迎した。

12 4大臣は,第1回日仏サイバー協議の開催(2014年12月,パリ)について満足の意を表した。4大臣は,この対話が2015年に継続され,深化されることを希望する旨表明した。

13 4大臣は,平和的利用のための宇宙空間へのアクセスの自由並びに宇宙空間の探査及び利用の自由の重要性,並びに軌道上の宇宙物体の安全と完全性を保護する必要性につき再確認した。4大臣は,宇宙分野において長年にわたって両国の関係機関及び産業の間に存在する卓越した協力を確認し,宇宙の安全,セキュリティ,及び持続可能性の向上を目的とする「宇宙活動に関する国際行動規範」の作成等に向けた国際的な取組を支援することによるものも含め,強化された政府間対話を通じて二国間協力に新たな活力を与える重要性につき強調した。

14 4大臣は,国際的な安全保障環境の改善に共に貢献するために,とりわけ危機管理分野における協力を高めるEUと日本の共通の意思を歓迎した。この観点から,4大臣は,日本と欧州共通安全保障防衛政策(CSDP)のミッションによる既存の協力を継続する重要性を再確認し,アフリカを始めとする新たな地域における協力を発展させる希望を表明した。

15 4大臣は,国際連合,特に,国連安全保障理事会が国際社会の直面する脅威に機動的かつ効果的に対応するため,代表性,効率性,透明性及び集団安全保障システムの権威を高めるような改革が必要であることを再認識した。このために4大臣は,大規模な残虐行為のケースにおける拒否権行使の抑制を含め,安保理改革において,国連創設70周年である2015年中に具体的成果を得ることの必要性を強調し,G4イニシアティブへの支持を再確認した。

16 4大臣は,広島・長崎被爆70年である本年, 核軍縮・核不拡散に向けた強いコミットメント,及び2010年の運用検討会議において全会一致で採択された行動計画に沿った形でNPT運用検討会議の成功を確保する決意を再確認した。4大臣は,核拡散の危機(イラン,北朝鮮,及びシリア)に対する断固たる対応を行い,安全,セキュリティ及び不拡散に関する最良の条件の下で原子力エネルギーの平和的利用の責任ある発展を促進する意思を再確認した。

17 本日の会合の成功を受け,4大臣は,意見交換を継続し,2016年に本対話の次回会合を開催することを決定した。


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