エストニア共和国
日・エストニア外相会談
令和3年7月1日

エストニアを訪問中の茂木敏充外務大臣は、現地時間7月1日午前11時40分(日本時間1日午後5時40分)から2時間10分間、エヴァ=マリア・リーメッツ・エストニア共和国外務大臣(H.E. Ms. Eva-Maria LIIMETS, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Estonia)との間で外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、茂木大臣から、日エストニア友好100周年の節目に、日本の外務大臣として史上初のエストニア訪問を実現でき嬉しく思う、基本的価値を共有するパートナーであり、本年国連安保理非常任理事国を務めるエストニアとの協力を重視している旨述べました。これに対しリーメッツ大臣から、日本の外務大臣として史上初となる茂木大臣の訪問に歓迎の意を表し、友好100周年を機に日本との良好な関係を更に発展させていきたい旨述べました。
- 両大臣は、エストニアが強みを有するデジタル・サイバー分野での両国の協力の進展を評価するとともに、今次訪問及び本年の友好100周年を機に、政治、経済、文化など幅広い協力関係を一層進展させることで一致しました。
- 茂木大臣から、欧州大陸電力ネットワークへの接続事業など、エストニアを含むバルト三国の広域インフラ事業に、高い技術力を持つ日本企業が更に貢献できると考えている旨述べ、両大臣は、このような欧州統合強化に資する協力を進めていくことで一致しました。また、茂木大臣から、EUによる日本産食品の輸入規制について、撤廃に向けた協力を要請しました。
- 茂木大臣から、4月の「インド太平洋における協力のためのEU戦略」を、EUのインド太平洋への関与の強い意思として歓迎するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」に向けEUとの協力を進めていきたい旨述べ、リーメッツ大臣から「自由で開かれたインド太平洋」の実現への力強い支持が表明されました。
- 東アジア情勢について、両大臣は、海警法を含む東シナ海・南シナ海における力による一方的な現状変更の試みの継続・強化、香港・新疆の状況に対する深刻な懸念を共有し、基本的価値を共有する同志国が結束して、ルールに基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくことの重要性について一致しました。両大臣は、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄に向け、安保理決議の完全な履行を確認するとともに、茂木大臣から、拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を求め、リーメッツ大臣の支持を得ました。また、両大臣は、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、アフガニスタン等についても意見交換しました。さらに、両大臣は日本から専門家を派遣しているエストニア所在のNATOサイバー防衛協力センターを通じた日NATO協力の推進に一致しました。
- リーメッツ大臣から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催への支持と、その際のエストニア要人訪日実現への期待が表明され、茂木大臣からこれを歓迎しました。