デンマーク王国
日・デンマーク首脳会談及びワーキング・ディナー
令和5年10月25日



10月25日、午後6時55分から約35分間、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中のメッテ・フレデリクセン・デンマーク王国首相(H.E. Ms. Mette FREDERIKSEN, Prime Minister of the Kingdom of Denmark)と会談を行うとともに、引き続き、午後8時05分から約45分間、ワーキング・ディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。
また、両首脳は、日・デンマーク戦略的パートナーシップの深化に関する首脳共同声明及び共同戦略行動計画を発出しました。
1 二国間関係
- 岸田総理大臣から、フレデリクセン首相の初めての訪日を心から歓迎するとともに、日本とデンマークの間では、価値や原則を共有する戦略的パートナーとして2014年に首脳間で発出された共同声明等を踏まえ、良好な関係が更に進展していることは喜ばしい旨述べました。
- また、岸田総理大臣から、安全保障、経済といった様々な分野に広がる二国間関係、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力、国際情勢等に関し、デンマークと協力していきたい旨述べた上で、両国間の戦略的パートナーシップを一層強化するため、本日、共同声明及び共同戦略行動計画(JSWP)を発出できることは喜ばしく、これらの文書を新たな基礎とし、具体的な協力を着実に実施していきたい旨述べました。
- これに対し、フレデリクセン首相から、今次訪日の機会に共同声明及び共同戦略行動計画を発出することにより、二国間関係が一層深化することを期待する、G7議長国としての日本のリーダーシップに敬意を表する旨述べました。
- 両首脳は、日本とデンマークは、デジタル、グリーン、イノベーションといった分野でそれぞれ強みを有しているとの認識で一致したほか、フレデリクセン首相の今次訪日の機会を捉え、量子科学、デジタル、ライフサイエンスを含む科学技術イノベーションに関する協力覚書や、水素・アンモニアに関する協力覚書、また洋上風力に関する意図表明文書に署名されたことを歓迎し、このような両国間の協力が経済関係の一層の発展につながることへの期待を共有しました。
- 岸田総理大臣から、ALPS処理水の海洋放出について、今後とも、高い透明性を持って、国際社会の理解を一層深める努力を不断に続けていくことを説明するとともに、デンマークとも緊密に連携していきたい旨を述べました。これに対し、フレデリクセン首相は、日本の透明性の高い取組を評価する旨述べました。
2 地域情勢
- 岸田総理大臣から、国際安全保障環境が一層厳しさを増す中、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であり、欧州諸国、EU及びNATOがインド太平洋地域への関心、関与を拡大していることを歓迎する旨述べた上で、国際秩序が様々な挑戦にさらされる中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくことが国際社会全体にとって極めて重要である旨述べました。また、両首脳は、力による一方的な現状変更の試みは認められないとの認識を共有しました。
- 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略に関し一日も早く公正かつ永続的な平和を実現すべく、同志国が結束し、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続することが重要であるとの認識を共有しました。
- 両首脳は、東アジア情勢についても議論し、北朝鮮による核・ミサイル活動の活発化や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
- 岸田総理から、中東の平和と安定は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄に不可欠であり、日本は、今般のハマス等のパレスチナ武装勢力によるテロ攻撃、特に罪のない一般市民に対する攻撃や誘拐を断固として非難するとともに、関係国とも連携しつつ、情勢の沈静化に向け、積極的な外交努力を展開していく考えであり、ガザの人道状況の改善も急務である旨を述べました。両首脳は、両国間で緊密に連携していくことで一致しました。
3 国際場裡における協力
- 両首脳は、安保理改革を含む国連の機能強化が重要であるとの認識で一致したほか、両首脳は、「核兵器のない世界」の実現に向けて引き続き連携していくことを確認しました。
- また、両首脳は、経済安全保障についても協力していくとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協力していくことで一致しました。
- さらに、両首脳は、北極をめぐる諸課題についても幅広く協力を深めていくことで一致しました。