ロシア連邦
「平成28年北方領土返還要求全国大会」岸田外務大臣挨拶
平成28年2月7日
本日お越しの皆様におかれては,日頃から北方四島の返還に向けた環境整備,国民世論の啓発と結集のため,様々な活動に御尽力いただき,心から感謝申し上げます。
北方領土は我が国固有の領土です。日露間の最大の懸案である北方領土問題が,戦後70年を経た今もなお未解決であるため,日露間の平和条約が締結されていないことは誠に遺憾であります。元島民の皆様が高齢となられている現実を踏まえ,一日も早く解決する必要があるとの思いを強くしています。
一方で,ロシアをめぐる国際情勢が複雑化する中,日露関係,そして,平和条約締結交渉も容易ではない状況にあります。そうした中,昨年9月の私のモスクワ訪問により,事実上一時中断していた平和条約締結交渉を再開いたしました。これを受け,10月には約1年9か月ぶりに日露次官級の平和条約締結交渉を実施したところです。
日露間では,首脳レベルを始め,対話を継続していくことで一致しており,今月東京において次官級協議を開催する予定です。政府としては,北方四島の帰属の問題を解決し,ロシアとの平和条約を締結するよう,本年も一層精力的に腰を据えて交渉に取り組む決意です。
政府がロシアとの交渉を強力に進めていく上で,北方領土返還要求が日本国民の総意であることを明確に示し続けることが重要です。北方領土返還の実現に向け,引き続き力強い御支援と御協力を賜りますよう改めてお願い申し上げ,私からの挨拶とさせていただきます。