北大西洋条約機構(NATO)
石破内閣総理大臣とルッテNATO事務総長との会談
令和7年4月9日



4月9日、午後6時10分から約45分間、石破茂内閣総理大臣は、訪日中のマルク・ルッテNATO事務総長(H.E. Mr. Mark Rutte, NATO Secretary General)との間で会談を行うとともに、会談後の共同記者発表に続いて、午後7時15分から約85分間、ワーキング・ディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。また、今回の会談に際し、共同声明が発出されました。一連の行事には、岩屋毅外務大臣及び中谷元防衛大臣が同席しました。
- 冒頭
- 冒頭、石破総理大臣から、就任後初めてのインド太平洋地域への訪問である点に言及しつつ、ルッテ事務総長の訪日を歓迎しました。
- 石破総理大臣から、国際的な安全保障環境が厳しさを増す中、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分であることは共通認識となっており、日本を含むインド太平洋パートナーとNATOの間の安全保障協力の必要性は更に高まっている旨述べました。その上で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくために、日・NATOで協力していきたいと強調しました。
- これに対して、ルッテNATO事務総長は、石破総理大臣との初の対面での会談を嬉しく思う旨述べるとともに、今回の訪日を通じて、防衛産業分野を含め日・NATO協力を一層強化していきたい旨述べました。
- 日・NATO関係
- 石破総理大臣から、「強固なNATO」は日本にとっても利益となる旨述べ、欧米間の架け橋としてのルッテ事務総長のリーダーシップに敬意を表しました。
- 両者は、日本とNATOのパートナーシップが、欧州・大西洋及びインド太平洋地域の双方にとって戦略的に重要であることを確認しました。また、防衛産業協力の強化は、日・NATO双方の優先事項であることを確認し、同分野での協力を推進していくことで一致しました。
- また、両者は、日・NATO協力を新たな高みに押し上げるべく、サイバー、海洋安全保障、戦略的コミュニケーション、相互運用性を含む様々な分野における協力を一層深化していくことで一致しました。
- 国際・地域情勢
- 両者は、ロシアによるウクライナ侵略をめぐる情勢について、露朝軍事協力の現状等を含め意見交換し、現在関係国によって行われている公正かつ永続的な平和を実現するための外交努力が重要であることを確認しました。また、ルッテ事務総長から、日本のウクライナ支援に対する謝意が改めて表明されました。両者は、ウクライナにおける平和の実現に当たって、誤った教訓が導き出されないよう、引き続き連携していくことで一致しました。
- 両者は、東アジア情勢についても意見交換し、NATOを含む同志国間で、引き続き連携して対応していくことを確認しました。また、北朝鮮による核・ミサイル活動の進展やその資金源となる暗号資産窃取を含む悪意あるサイバー活動についても議論し、引き続き連携して対応していくことで一致しました。また、拉致問題の即時解決に向けたNATOの理解と協力を求め、支持を得ました。
- 両者は、露朝軍事協力の進展を含め、地域を越えた安全保障課題に同志国で連携して対応する必要性を確認し、引き続き情報共有や協力を継続することで一致しました。