北大西洋条約機構(NATO)

令和7年4月3日
NATO外相会合に出席中の岩屋外務大臣
NATO外相会合で発言をする岩屋外務大臣の様子

 現地時間4月3日午後4時00分(日本時間同日午後11時00分)から約1時間50分、ベルギー王国を訪問中の岩屋毅外務大臣は、北大西洋条約機構(NATO)外相会合に出席したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 岩屋大臣は、2022年以降、4年連続となる招待を受けてNATO外相会合に出席しました。岩屋大臣が出席したセッションには、NATO加盟国32か国及びインド太平洋パートナー(IP4:日本、豪州、ニュージーランド及び韓国)の外相等が出席し、地域を越えた安全保障課題やNATO・IP4協力等について議論が行われました。
  2. 岩屋大臣は会合において、概要以下のとおり述べました。
    1. 近年の日・NATO間の対話及び協力の進展は、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分との認識が完全に共有されていることの表れである。
    2. 我々は、価値や原則、そして戦略的利益を共有しており、ロシアによるウクライナ侵略を含め、世界のどこであれ、力による一方的な現状変更の試みを許さないことを国際社会に共に示していくことが重要。
    3. ウクライナ情勢については、現在行われている戦闘の早期終結のための各国の外交努力を、国際社会の結束の下、早期の全面停戦、公正かつ永続的な平和の実現につなげていくことが重要。
    4. 北朝鮮兵士の対ウクライナ戦闘参加や弾薬・ミサイルの提供を含む露朝軍事協力の進展は、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、インド太平洋の安全保障にも大きく影響するものであり、強く非難。
    5. インド太平洋地域においては、東シナ海・南シナ海を含め、力による一方的な現状変更の試みが継続・強化されている。
    6. 北朝鮮による、暗号資産窃取を始めとする悪意あるサイバー活動を資金源とした核・ミサイル活動を深刻に懸念。拉致問題の即時解決に向けたNATO各国の理解と協力に感謝。
    7. 日本は、今後も法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋を推進する努力を続けていく考えであり、NATO及び加盟国と緊密に連携していくとともに、NATOがインド太平洋への関与をさらに強化することを期待。
    8. 日・NATO関係はかつてなく強固であり、この関係を「制度化」していくことを重視。その取組の一環として、本年1月、日本は、新たにNATO専任大使を派遣。日・NATO間の秘匿情報共有体制の整備が確実に進展していることは喜ばしい。国別適合パートナーシップ計画(ITPP)に基づき、サイバー、防衛産業、相互運用性を始めとして、様々な分野での協力も具体化している。
    9. NATO・IP4協力については、旗艦事業を着実に進めることが重要。本年2月、日本は、旗艦事業の一翼を担う日・NATO戦略的コミュニケーション会議を主催。今後もNATO・IP4協力においても主導的役割を果たしていく。
    10. 来週、マルク・ルッテNATO事務総長が、就任後初のインド太平洋地域における外遊先として日本を訪問されることを歓迎。この地域における「強固なNATO」の存在は、日本そしてインド太平洋地域にとっても利益となる。この訪日の機会も活用し、日・NATO連携を一層強化していく。

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