北大西洋条約機構(NATO)
岸田総理大臣とストルテンベルグNATO事務総長との共同記者発表及び会談
令和6年7月11日
現地時間7月11日午前8時35分(日本時間同日午後9時35分)から約25分間、NATO首脳会合出席のため米国を訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、イェンス・ストルテンベルグ北大西洋条約機構(NATO)事務総長(H.E. Mr. Jens Stoltenberg, Secretary General of the North Atlantic Treaty Organization (NATO))との間で、共同記者発表及びそれに続いて会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 共同記者発表


- ストルテンベルグ事務総長から、岸田総理大臣のNATO首脳会合出席に謝意を表するとともに、安全保障環境が厳しさを増す中で、インド太平洋パートナー(IP4)(注2)とNATOの協力が一層重要になってきている旨述べました。
- これに続いて、岸田総理大臣から、10年間にわたる同事務総長のNATOにおける力強いリーダーシップ及びNATOとインド太平洋の関係強化への尽力に敬意を表するとともに、概要以下のとおり述べました。
- 欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分。日NATO協力について、ITPP(注1)に基づき、サイバー、宇宙、共同訓練などの分野での協力の一層の強化を確認したい。本日のパートナー・セッションでもNATOとインド太平洋パートナーとの間の持続的な協力関係を確立するために議論を行う。
- 日本は、先月、非大西洋の国として初めてウクライナとの二国間文書に署名した。日本はNATOとも協力し、ウクライナ支援をしっかりと継続していく。
(注1)ITPP: Individually Tailored Partnership Programme(国別適合パートナーシップ計画)
(注2)IP4: インド太平洋パートナー(日、豪、NZ、韓)
2 会談

- 両者は、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分である中、NATOとIP4が連携を深めることは必然であるとして、IP4とNATOの旗艦事業を歓迎しました。
- また、岸田総理大臣から概要以下のとおり述べました。
- NATOと日本の間での秘匿情報共有体制の強化を進めていく。
- NATOの戦略的コミュニケーション研究センター(於:ラトビア)へ要員を新規派遣予定。戦略的コミュニケーションに関する会議を今年度中に日本で開催する。
- 日本とNATOは、欧州・大西洋地域で本年中に共同訓練を実現すべく調整中であり、今後も自衛隊・NATO間の実務的な協力を進めたい。
これを受けて、ストルテンベルグ事務総長から日NATO協力の進展を歓迎する旨述べ、両者は、こうした分野を含め日NATO間での協力を更に進めていくことで一致しました。
- また、両者は、ウクライナ情勢や、北朝鮮への対応を始めとしたインド太平洋情勢を含む地域情勢についても意見交換を行いました。