欧州
安倍総理大臣の欧州訪問の際の安倍昭恵総理夫人の活動
平成30年10月16日から10月19日,安倍総理夫人はスペイン(マドリード),フランス(パリ),ベルギー(ブリュッセル)を訪問した安倍総理に同行し,様々な交流活動を行いました。
スペイン(10月16日)
外交官学校訪問
安倍総理夫人は,滞在中のマドリードにおいて,スペイン外務・EU・協力省所属外交官学校を訪問しました。
安倍総理夫人は,同校において,フェルナンド・フェルナンデス=アリアス学校長,シルヴィア・コサーノ副校長及び日本関連書籍(「スペイン人外交官の目から見た日本の姿」)の著者で元外交官のペレス・マルティネス元大使夫妻と懇談を行った後,同校で学ぶ学生との意見交換を行いました。
安倍総理夫人から,日本関連書籍を出版したペレス元大使にお祝いを伝え,同著作を通じてスペインにおける日本理解が深まることを期待する旨述べました。学生との意見交換においては,学生から日スペイン関係の更なる発展のために尽力したい等の意見が発表され,安倍総理夫人からは,国交樹立150周年の機会に,是非日本への理解を深めてほしい,将来の活躍を期待する旨述べました。
(参考)スペイン外務・EU・協力省所属外交官学校(Escuela Diplomática)
1942年設立。外交官を目指す学生及び世界各国の外交官が学ぶ学校。国際法,経済,国際関係,社会学等幅広いテーマについて網羅的なプログラムが組まれている。
(参考)日本関連書籍「スペイン人外交官の目から見た日本の姿(「Aspectos de Japón Vistos por un Diplomático Español」)」
在京大使館勤務の経験のあるスペイン人外交官ペレス元大使の著作。日本の文化,社会から日西関係までの幅広いテーマに関する随筆。同日,同書籍の出版発表会が同校で開催された。
フランス(10月17日・18日)


1 フランス大統領府(エリゼ宮殿)訪問
安倍総理夫人は,滞在中のパリにおいて,フランス大統領府(エリゼ宮殿)を訪問し,ブリジット・マクロン仏大統領夫人の案内で,同宮殿内を見学しました。
安倍総理夫人は,本年7月に予定されていた総理及び自身のフランス訪問が延期となったことに触れ,今般,マクロン夫人と再会出来て大変嬉しく感じている旨を伝達しました。また,フランス南部オード県の豪雨被害に対するお見舞いの言葉を伝達しました。
マクロン夫人からも,日本国内で発生した西日本豪雨を始めとする自然災害について,改めてお見舞いの言葉が述べられました。更に,今般の安倍総理夫人の訪仏が実現し大変嬉しく思っており,また,日本語教育の現場を見るのは初めてであり,パリにおいて日本語教育を行っている公立高校を共に訪問できるのを非常に楽しみにしている旨の発言がありました。
両夫人は,「ジャポニスム2018」の行事がフランス国内で実施されており,多くのフランス国民が日本及び日本文化に関する理解を深める機会となっていることを歓迎しました。なお,マクロン夫人からは,日仏間には文化に対して相互に理解し合える特別な繋がりがある旨の発言がありました。
マクロン夫人の執務室を訪れた際,愛犬のネモが安倍総理夫人を迎える場面もあり,大変和やかな雰囲気の中で,両夫人から今後の一層強力な日仏協力への期待が表明されました。
2 ラシーヌ高校訪問
安倍総理夫人は,ブリジット・マクロン仏大統領夫人とともに,滞在中のパリ市の8区に所在する公立のラシーヌ高校を訪問しました。
同校は,パリの日本語教育の中心的存在で,日系2世や日仏双方の親を持つ生徒,初めて日本語を学ぶ生徒等,様々な背景を持つ生徒が集まり,市内の他の公立高校から日本語の授業を受けに来る生徒も合わせて,約220名が日本語を学習しています。
両夫人は,初級・中級レベルの生徒たちの授業を参観しました。生徒たちによる歓迎の言葉の後,生徒たちがカードゲームを通じて楽しみながら日本語を学習している様子を参観し,日本語学習の動機等について生徒たちと懇談して交流を深めました。
安倍総理夫人からは,日仏友好関係をより良いものにするために,将来を担う一人一人に是非頑張って欲しいと,更なる日本語学習に向けて生徒たちを激励しました。
3 アール・ブリュット・ジャポネII展訪問
安倍総理夫人は,滞在中のパリ市内に所在するアル・サン・ピエール美術館において日仏友好160周年記念ジャポニスム特別企画「アール・ブリュット・ジャポネII」展を訪問しました。
安倍総理夫人は,リュサルディ館長他の案内で,52名の作家による200余りの展示作品と,ライブラリーで開催されている日本書籍フェアを見学しました。館長との意見交換の中で,安倍総理夫人は,心に障害をもつ方,またその家族の方々を支える活動として,アール・ブリュットのような芸術活動を日本においても引き続き推進させていきたい旨述べました。館長からは,かかる障害者によるアール・ブリュットの活動は日本から触発されてフランスでも活発になってきているとの話がありました。
(参考)アール・ブリュット概要
アール・ブリュットは,心に障害をもつ方など美術の正規教育を受けていない人々が自由に創作した「直接的・無垢・生硬な芸術」と言われている。また,1960年代にパリで初めて展示され公的に認知されたとされている。
(参考)アル・サン・ピエール美術館
アル・サン・ピエール美術館は,1868年に建設された市場を利用した美術館。「芸術の都パリ」の中でも,とりわけさまざまなアーティストが集まることで知られるモンマルトルの丘の麓に位置しており,奇抜なアートを積極的に取り上げ,美術界に常に問題提起を行う美術館として大きく注目されている。
(参考)アール・ブリュット・ジャポネII展
姉妹都市である東京都とパリ市が中心となって実施する文化交流事業ジャポニスムの特別企画である,「パリ東京文化タンデム2018」の一環として開催されている展示。
ベルギー(10月18日・19日)

1 社会の多様性を考える懇談会
安倍総理夫人は,滞在先のベルギー・ブリュッセルにおいて,「レインボーハウス」を訪問しました。レインボーハウスは,ブリュッセル首都圏地域のLGBT等の性的少数派の関係団体及び当事者の拠り所として,情報提供,出会いの場,様々な社会文化活動を開催するプラットフォームです。
安倍総理夫人は,レインボーハウスを訪問するとともに,同代表のレイチェル・ムーア・コーディネーター及びLGBT等の団体の代表者等と懇談し説明を受けました。
続いて安倍総理夫人は,LGBT等性的少数派を含め,様々な少数派が生きやすい社会,多様性を尊重する社会について,家族という切り口から意見交換を行いました。出席者からは,現在のベルギー及び欧州における制度的な進展について説明を受け,多様性の確保された社会を目指すためには,法的な枠組みの確保に加え,性的少数派を家族や周囲の人間がありのままに受け入れ,サポートする姿勢が重要である旨説明がありました。安倍総理夫人は,ベルギーは少数派に優しいと言われているが,悩みを打ち明ける人がいることが重要であり,LGBTや全ての少数派の方が,堂々と自分らしく幸せに生きることのできる社会であって欲しいと述べました。
(参考)レインボーハウス
ブリュッセル首都圏地域のLGBTQI関係団体及び当事者の拠り所として,情報提供や出会いの場として,様々な社会文化活動を開催。
2 「子供の家」訪問
安倍総理夫人は,ルーヴェン市に所在する「子供の家」を訪問しました。「子供の家」は専門家による母親への助言,様々な子供関連の書籍を閲覧できる図書スペース,ベビーマッサージ講座などのグループ・アクティビティ,授乳方法等についての情報提供等を行う公的機関です。安倍総理夫人は,ヒルデ・デヴァッデル・同コーディネーターからセンターの活動と特色について説明を受けた後,ベルギーの産後,或いは子育て中の親に対する支援のあり方について意見交換を行いました。
3 蘭語系カトリック・ルーヴェン大学訪問
安倍総理夫人は,ルーヴェン市に所在する蘭語系カトリック・ルーヴェン大学を訪問しました。
蘭語系カトリック・ルーヴェン大学(KUL)は,1425年に設立された伝統ある大学で,日本研究学科は1986年に創設されました。安倍総理夫人は,セルス学長及びヴァノヴェルベーク教授と懇談し,ベルギーへの日本企業の進出が日本研究学科の学生が増える理由になっており,好循環を生んでいるとの説明を受けました。安倍総理夫人は,同大学の日本研究学科で学んだ学生が,日本とベルギーの架け橋となって活躍して欲しい旨述べました。その後,安倍総理夫人は,同大学構内で開催されたベルギー日本語教師会の勉強会に参加し,日本語教育普及の課題について意見交換を行いました。
4 ルーヴェン市長との懇談
安倍総理夫人は,ルーヴェン市庁舎においてトバック・ルーヴェン市長と懇談を行いました。
安倍総理夫人は,トバック市長より,15世紀に建てられたルーヴェン市庁舎の案内を受けながら,ルーヴェン市の歴史の説明を受けました。
5 ビオマーケット訪問
安倍総理夫人は,ブリュッセル市内の有機野菜等を取り扱うビオマーケットを訪問しました。同訪問においては,井上ジェトロ・ブリュッセル所長他より,ベルギーを始めとする欧州のビオ(有機)市場,認定基準等についての説明を受けました。安倍総理夫人は欧州の有機野菜の認定基準と日本との違い等について,熱心に説明に耳を傾けました。