欧州
NATOウェールズ首脳会合関連会合への日本の参加 (結果概要)
平成26年9月5日
NATOウェールズ首脳会合に際して9月4日(木曜日)に開催された「アフガニスタンに関する会合」及び「相互運用性プラットフォーム」設立会合には,日本も招待され,坂場NATO日本代表(駐ベルギー大使)が参加したところ,結果概要以下のとおり。
1.アフガニスタンに関する会合
- 坂場大使の発言(和文(PDF)/英文(PDF))
- アフガニスタンに関するISAF宣言の骨子仮訳(PDF)
4日13時15分から16時まで同会合が首脳級で開催され,NATO加盟国,NATO非加盟国のISAF兵力貢献国及びアフガニスタンに加え,日本,中央アジア諸国,EU,国連等,計約60の国・機関が出席。
- (1)冒頭,国際治安支援部隊(ISAF)の任務に従事した人々の貢献及び犠牲に対して賞賛・敬意を表した後,2003年8月にNATOがISAFの指揮を開始して以来実施されたNATO加盟国とパートナーによる多大な貢献に謝意が表明された。
- (2)多くの国がこれまでのISAFの成果,アフガニスタンが達成した政治的,社会的,経済的な進捗を評価しつつ,治安面で残る課題に取り組むため,引き続き国際社会が関与を継続する必要性を指摘した。また,新たなアフガニスタン大統領が最終的に決定され次第,早期に包摂的な統合政府を形成する重要性が指摘された。
- (3)坂場NATO日本代表からは,国際社会,NATOが本年末以降もアフガニスタンに関与を継続するために米国・アフガニスタン安全保障協定(BSA)及びNATO・アフガニスタン地位協定(SOFA)締結が必要であり,アフガニスタン側へ早期署名を期待する旨を表明するとともに,治安分野へのこれまでの日本の貢献について具体的に言及しつつ,日本は治安分野についてシカゴ会合で表明したとおり,引き続き警察支援を中心に実施していく旨発言した。
- (4)本会合の成果として「アフガニスタンに関するISAF宣言」が発出された。同宣言では,本年末,NATOのISAF任務が完了することを受けて,NATOは来年以降,短期的には「確固たる支援(Resolute Support)」任務,中期的にはアフガニスタン治安部隊(ANSF)の財政的な持続可能性のための貢献,長期的にはNATO・アフガニスタン間の永続的パートナーシップを通じてアフガニスタンにコミットし続けること,アフガニスタン政府に対しては,腐敗との闘いを維持・強化すること,2024年までに自国の治安部隊に完全な財政的責任を持つことを求めることなどが確認された。
2.「相互運用性プラットフォーム」設立会合
- 坂場大使の発言(和文(PDF)/英文(PDF))
- 相互運用性イニシアティブの概要(PDF)
4日16時50分から18時15分まで同会合が国防相級で開催され,NATO加盟国及び我が国を含む主要なパートナー24か国,計約50の国・機関が出席。
- (1)冒頭,バーシュボウNATO事務次長が加盟国及びパートナー国のNATOへの貢献に謝意を表明するとともに,アフガニスタンにおける協力で蓄積された相互運用性を維持・発展させるためにNATOは「相互運用性イニシアティブ」を策定したこと,その中で相互運用性に関する幅広い課題についてNATOとの対話の場が提供され,また,演習等への参加や情報のアクセスの機会が改善される「相互運用性プラットフォーム」を設立した意義などについて発言した。
- (2)引き続き, 多くの国が同イニシアティブを歓迎し,ISAF貢献パートナーと共に発展させてきたハイレベルの協議,相互運用性,防衛協力を同イニシアティブの下で今後も維持する方針が確認された。
- (3)また,特に,将来NATOへの加盟を希望する国々からは,同イニシアティブに対する高い期待が表明された。
- (4)坂場NATO日本代表からは,5月の安倍総理によるNATO訪問時に発出した「国別パートナーシップ協力計画(IPCP)」に基づき,特に「海洋安全保障」においては,ソマリア沖において海賊対処活動を行う自衛隊とNATOのオーシャン・シールド作戦に参加する部隊との共同訓練に向けて調整中であること,「女性」分野においては,女性自衛官を年内にNATO本部に派遣し,ジェンダー関連の職務を担当すべく調整中であることを説明した。また,我が国としてNATOとの協力を引き続き進めていく意思を表明した。