キルギス共和国
キルギス共和国に対する無償資金協力3件に関する書簡の署名・交換
令和6年8月2日
8月1日(現地時間同日)、キルギス共和国の首都ビシュケクにおいて、合田秀樹駐キルギス共和国日本国特命全権大使と、アルマズ・バケタエフ・キルギス共和国財務大臣(H.E. Mr. Almaz BAKETAEV, Minister of Finance of the Kyrgyz Republic)との間で、キルギスに対する計3件の無償資金協力(合計42.12億円)に関する書簡の署名・交換が行われました。対象案件の概要は、それぞれ以下のとおりです。
- 「国際空港航空交通管制施設整備計画」(供与限度額21億5,300万円)
国土の40%以上が標高3,000メートルを超える山岳地帯で占められる内陸国キルギスにとって、航空輸送は社会経済活動を支える輸送手段として重要な役割を担っています。しかしながら、キルギス国内の主要空港における管制塔や航空管制センター等の設備は、旧ソ連時に建設されてから約50年が経過し老朽化しており、また航空管制システムについても早急な更新が喫緊の課題となっています。この協力は、キルギス南部のオシュ国際空港の管制施設の建て替え、同国首都ビシュケクのマナス及び同国東部イシククリの各国際空港の航空管制システムの更新を行うものです。これにより、キルギスの航空機運航の安全性及び航空機取扱能力の向上を図り、もってキルギスの航空セクターの機能強化を通じた運輸インフラ維持管理や地域の連結性に寄与することが期待されます。 - 「ビシュケク市内三次病院における医療機材整備計画」(供与限度額15億円)
キルギスでは、若年層を含め非感染性疾患の死因に占める割合が世界平均よりも高くなっている一方、国内の医療施設のサービス提供体制は、医療機材の老朽化などを背景に、質・量ともに求められる診断・治療に十分に対応できる水準に達していない状況にあります。この協力は、首都ビシュケク市及び同国内における公的医療サービス提供の拠点となるトップリファラルの3病院において、特に循環器疾患や乳がんなどの非感染性疾患の診断・治療用医療機材の整備を行うものです。これにより、適時・適切な医療サービスの提供等、キルギスにおける保健医療体制の改善に寄与することが期待されます。 - 「人材育成奨学計画」(供与限度額3億4,200万円)
キルギスでは行政改革を含む様々な取組が進められており、こうした取組を円滑かつ確実に実施していくためには、制度の構築・改善に向けた若手行政官等の行政能力の更なる向上及び人材育成が急務になっています。この協力は、キルギス政府の中枢において政策決定に携わることが期待される若手行政官等を対象とする留学生が、本邦大学院において、同国における優先開発課題分野での知識の習得を目的として留学するのに対して、必要な経費を支援するものです。 - 我が国は、2022年(令和4年)12月、「中央アジア+日本」対話・第9回外相会合において、自由で開かれた中央アジアにおける持続可能な発展を達成するため、「人への投資」と「成長の質」を重視した新しいモデルに沿った協力を確立し発展させることを表明しました。今回の協力は、この双方を具体化するものです。
(参考)キルギス共和国基礎データ
キルギス共和国は、面積約19万8,500平方メートル(日本の約半分の大きさ)、670万人(2023年:国連人口基金)、1人当たり国民総所得(GNI)は1,700米ドル(2023年、世界銀行)。