ウクライナ

平成27年6月24日
 安倍総理夫人は,安倍総理とともに6月5日深夜(金曜日)~6日(土曜日),ウクライナを公式賓客として訪問し,6月7日(日曜日)~8日(月曜日)には,ドイツにおけるG7エルマウ・サミットに出席しました。概要は以下のとおりです。

1 ウクライナ訪問

(1)キエフ市第一精神病院小児部門視察

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 午前10時23分から約70分間,安倍総理夫人は,滞在中のキエフ(ウクライナ)において,キエフ市第一精神病院小児部門を訪問しました。
 ミシーエフ病院院長及び医師や看護師の出迎えを受けた安倍総理夫人は、病院の概要や,日本政府からの支援の概要とその活用状況に関する説明を受けました。院長から、日本からの支援に対する謝意が表され、安倍総理夫人は,「ウクライナの子供たちのお役に立って嬉しく思います。」と伝えました。また,同病院に通院する小児患者が理学療法治療を受けるための部屋を訪れ,日本の支援で揃えられたリハビリ機材で遊ぶ子どもたちと交流しました。
 ミシーエフ院長との懇談では、日本とウクライナそれぞれの現状や取組みについて意見交換が行われ、安倍総理夫人から、社会的弱者の治療や訓練に取組む同院の役割は大きく、敬意を表する旨を伝えました。
 また、同院から元患者であるマリア・プリマチェンコ氏による造物とアナトリー・ユシチェフ氏による富士山の絵画が贈られ、ウクライナ語に翻訳された松尾芭蕉の俳句が紹介されました。
 安倍総理夫人からは、「このような作品から学ばされることは多く、一つの個性として尊重し、共生できるような社会になることが平和につながると思います。ウクライナが平和で安定した国になり、そのような社会が実現できるよう、日本がお手伝いできれば嬉しく思います。」と伝えました。

【参考】キエフ第一精神病院小児部門について
 首都キエフに位置するキエフ市第1精神病院内にある小児部門。3歳から12歳までの言語障害及び精神神経障害児に対する治療及びリハビリを行っています。
 日本との関係では,2009年に草の根・人間の安全保障無償資金協力により,医療・リハビリ環境の大幅な改善を図るため,理学療法用機材や医療リハビリ機材,家具を供与しました(総支援額:42,070米ドル)。

(2)ポロシェンコ大統領夫人との懇談

 11時50分から約30分間、安倍総理夫人はポロシェンコ大統領夫人とキメラズハウスにおいて懇談しました。
 ポロシェンコ大統領夫人からは、安倍総理夫妻のウクライナ訪問を歓迎し、キエフ市立第一精神病院訪問と日本政府の支援への謝意が伝えられました。また、両夫人は、社会的弱者についての共通の課題や、ウクライナの現状について意見交換を行い、安倍総理夫人から、ウクライナの平和を祈念する旨を伝えました。

(3)ウクライナ・日本センター視察

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 14時から約70分間,安倍総理夫人は,ポロシェンコ・ウクライナ大統領夫人とともに,キエフ工科大学内に設置されている「ウクライナ・日本センター」を訪問し,教員や生徒たちと交流しました。
 到着時,安倍総理夫人とポロシェンコ大統領夫人は,ズグロフスキー工科大学学長,クシナリョフ・ウクライナ・日本センター所長をはじめとする関係者に出迎えられ,盆踊りクラブメンバーによる歓迎の舞が披露されました。
 その後,両首脳夫人は,講堂での歓迎式に出席し,弁論大会優勝者の流暢な日本語のスピーチに耳を傾けたほか,生徒による生け花や書道の作品を鑑賞しました。続いて,日本センター内の茶室や図書館などを視察した後,センター長や日本語・日本文化を学ぶ学生たちと意見交換を行いました。学生たちは,日本語や日本文化を学ぶことの楽しさや日本への思いについて紹介しました。
 また,同センター内の教室にて行われている日本人子弟のための補習校にも立ち寄り,ウクライナで暮らす日本人の子どもたちと交流しました。
 歓迎式では,安倍総理夫人からは,今回の歓迎への感謝の意を表するとともに,「日本とウクライナのどちらにも、困ったときに助けるのが“真の友”という諺がありますが、日本はいつもウクライナにとって良き友でありたいと思います。日本に関心を持ってくださる皆様を誇りに思います。これからも、両国の架け橋となっていただければ嬉しいです。」と伝えました。
 ポロシェンコ大統領夫人からは、「日本からは、文化面だけでなく、草の根無償資金協力による社会的な支援をはじめ、多面的な協力が進んでおり、皆さんが今後の両国の架け橋として活躍されることを期待します。」と伝えました。

【参考】キエフ工科大学「ウクライナ・日本センター」について
 2006年,キエフ工科大学内に設置された同センターは,日本語学習の推進,日本文化の紹介等,両国間の関係促進に貢献すべく,各種プログラムを実施しています。

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2 G7エルマウ・サミット出席

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 G7エルマウ・サミットにおいて,安倍総理夫人はメルケル首相の夫君ヨアヒム・ザウアー氏が主催する公式配偶者プログラムに参加しました。
 同プログラムには,安倍総理夫人の他に,ローリーン・テスキー・ハーパー加首相夫人,マウゴジャータ・トゥスク欧州理事会議長夫人が参加し,旧知のハーパー首相夫人との旧交を温めました。また,トゥスク議長夫人とも先月末に引き続く再会となりました。(注:トゥスク議長夫妻)は,5月28日~31日の日程で訪日した。)
 初日のプログラムとして,メルケル首相夫君のヨアヒム・ザウアー氏の案内の下,エルマウ城周辺の村を訪れ,バイエルン州の自然や文化,歴史に触れました。
 夜には,他の首脳夫人及び夕食会の前に開催されたコンサートの演奏者とともに,ヨアヒム・ザウアー氏主催の夕食会に出席しました。
 翌日のプログラムでは,ミュンヘンのドイツ博物館のヴォルフガング・ヘックル館長から,映像や模型を使いつつ,生活に役立つよう応用された道具の実演を交えながらナノテクノロジーに関する講義が行われました。また,ベルリン・フンボルト大学教授でもあるヨアヒム・ザウアー氏からも,ナノテクノロジーの活用の可能性などについて説明が行われました。


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