欧州

(平成26年9月8日~9日)

平成26年9月19日
日独外相会談
日独共同記者会見
カウダーCDU/CSU院内総務との会談

日独外相会談

 9月9日13時から14時30分(現地時間)まで,独を訪問中の岸田文雄外務大臣は,フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー独外相(H.E. Dr. Frank-Walter Steinmeier, Federal Minister for Foreign Affairs, Germany)との間で昼食を交えつつ,日独外相会談を行ったところ,概要以下のとおり。会談に先だって,シュタインマイヤー外相は岸田大臣を執務室に招き,個人的な信頼関係を深め,つづいて両外相は,独外務省が保存している日独関係の古い公文書を共に閲覧した。

1 冒頭

 岸田大臣から,日本にとり,独は共通の価値観に基づき,グローバルな課題に取り組む上で,信頼できる欧州のパートナーであることに言及しつつ,とりわけ,今般のウクライナ情勢への対処に際し,リーダーシップを発揮しているドイツを,外務大臣再任直後に訪問でき光栄である旨述べた。シュタインマイヤー外相は,岸田大臣による訪独を歓迎する旨応じ,日本は非常に信頼できるパートナーであり,会談が頻繁に実施されていることは二国間関係が高いレベルにあることの証左である旨述べた。

2 二国間関係全般

 岸田大臣がシュタインマイヤー外相と直接会談を行うのは3回目であり,個人的な信頼関係に基づいて,両国の関係を,実際に成果あるものとしていくべく,忌憚ない意見交換が行われた。
 具体的には,本年4月の日独首脳会談で確認された安全保障分野を始めとする協力分野について,一歩踏み込んだ協議を行った。我が国の「積極的平和主義」とドイツの積極貢献路線の共通点についても意見交換を行った。

3 地域情勢

(1)ウクライナ・ロシア情勢

 ウクライナ情勢については,持続的な停戦の確保と和平の実現に向け,全ての関係者が全力を尽くすべきことで一致した。シュタインマイヤー外相からは,ドイツによる対ウクライナ政策について説明があり,G7と連携する形での日本による対露措置に謝意が表明された。岸田大臣からは,ドイツによる貢献を高く評価すると共に,我が国によるウクライナ支援につき説明した。また,ウクライナ情勢により適切に対応していくために,日独はG7パートナーとしてこれまでも緊密に連携してきているが,今後は日独二国間でもウクライナについての協議を行う枠組みを創設することに合意した。さらに,ウクライナ支援の分野でも連携していくことで一致した。

(2)中東情勢

 イラク,シリア情勢については,イラク,シリアで勢力を拡大している「イラクとレバントのイスラム国」(ISIL)の活動に対する懸念を共有すると共に,地域情勢について意見交換した。シュタインマイヤー外相から,ドイツによるイラクの安定化に向けた施策について説明があった。ガザ情勢については,両国はエジプトの仲介による停戦合意を歓迎し,持続的な停戦と長期的なガザの安定化に向けた協力につき意見交換した。

(3)東アジア情勢

 岸田大臣から,東アジアの厳しい安全保障環境及び我が国による対話重視の取組について説明し,先方から理解と支持を得た。

4 多国間における協力

 多国間枠組みにおける協力について両外相は,国連安保理改革を始めとするG4としての連携や,軍縮・不拡散問題における連携について確認した。

カウダー連邦議会与党幹部議員との会談

 9日15時30分から16時30分(現地時間),ドイツ訪問中の岸田文雄外務大臣は,フォルカー・カウダー独連邦議会キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)会派院内総務(Mr. Volker Kauder, Chairman of the CDU/CSU parliamentary group in the Bundestag)と会談を行ったところ,概要は以下のとおり。

1 二国間関係

 岸田大臣とカウダー院内総務は,日独関係は引き続き様々な分野での協力が可能であり,日独は共通の価値を有するパートナーとして,今後とも協力を強化していくことで一致した。また,岸田大臣は10月に予定しているカウダー院内総務の来日を楽しみにしている旨述べた。

2 地域情勢

(1)ウクライナ情勢

 岸田大臣から,ウクライナ情勢の改善に向けたドイツによる多大なる貢献に敬意を表するとともに,引き続き対話の枠組みを重視すること及びウクライナ支援でも日独で連携していくことで一致した。

(2)イラク,シリア情勢

 岸田大臣から,ドイツによるテロ対策を評価し,両者でISILの活動に対する懸念を共有するとともに,地域の安定化に向けた協力につき意見交換した。

(3)東アジア情勢

 先方からの質問に対し,岸田大臣から,東アジアの厳しい安全保障環境及び我が国による対話重視の取組について説明し,先方から理解と支持を得た。

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